研究課題/領域番号 |
02224204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 賢明女子学院短期大学 |
研究代表者 |
東 淳一 賢明女子学院短期大学, 英語科, 講師 (90202621)
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研究分担者 |
津熊 良政 賢明女子学院短期大学, 英語科, 助教授 (50188520)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 日本語 / 中国語 / あいまい文 / 統語構造 / 統語境界 / 韻律的特徴 / 基本周波数 / ポ-ズ |
研究概要 |
1.平成元年度に実施中の研究から、統語境界の明示化に関与する最も重要な韻律的要因は、日本語についてはFoであり、中国語についてはポ-ズや引き伸ばされた音節の継続時間であることがほぼ解明されたが、デ-タの量はまだ充分とは言えなかった。そこで、構造が異なった日本語(近畿方言と東京方言の両方)および中国語(北京方言)の二義性をもつ統語的あいまい文の発話資料を収集し、各文のそれぞれの意図での発話の音声分析を行い、意味の区別に関与していると思われる韻律的要因を探す努力をした。 2.両言語において、1.で用いたあいまい文発話資料をもとに音声合成を行い、一つの韻律的要因のみ(ポ-ズ長、音節長、Foなど)をスモ-ルステップで変化させた音声刺激の意味判定を当該方言を話す複数の話者に求め、どの韻律的要因があいまい文の意味判定に最も有効に働くのかを解明することにした。 3.結論として、平成元年度および平成二年度の研究成果から、日本語では近畿方言および東京方言のいずれの場合にも、統語境界の明示化に関与する最も重要な韻律的要因は、統語境界後のFoによるフレ-ズの立て直しであり、ポ-ズはFoほど知覚的に決定的要因として働いていないことが分かった。一方、中国語の場合には、Foによるフレ-ズの立て直しは日本語のように統語境界の明示には貢献せず、そのかわりに、ポ-ズと引き伸ばされた音節の継続時間が重要な役目を果たすことが分かった。 4.さらに、両言語において、数列中に現われるような境界の場合にも統語境界の明示化に大きく関与する韻律的要因と同様の要因が働いていることが認められた。
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