研究課題/領域番号 |
02225104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大場 忠道 金沢大学, 教養部, 教授 (60013588)
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研究分担者 |
鎮西 清高 京都大学, 理学部, 教授 (70011517)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 海底コア / 有孔虫 / 酸素同位体比 / 浅海性推積層 / 貝化石群集 / 海洋古環境 |
研究概要 |
先史モンゴロイドの移住・拡散には、自然環境の変化が深く係わっていると予想されるが、本研究は最終氷期以降の北西太平洋における海洋環境の変遷を明らかにすることを目的としている。そのために、日本周辺の海底コアに含まれる有孔虫化石の酸素同位体比( ^<18>o/ ^<16>o)の測定から海流系の変化を追跡すると同時に、日本列島各地の浅海性推積層に含まれる貝化石群集の解析から沿岸の環境変化を復元し、両者の結果を複合して北西太平洋における海洋環境の変遷を明らかにすることを目差した。 本年度は、宮古島沖の海底コア(長さ4.3m)、四国沖の(7.8m)、八戸沖(8.3m)、襟裳岬沖(4.8m)、釧路沖(4.3m)の合計5本の海底コアについて調査した。各コアについて、厚さ1cmの堆積物を10cmまたは20cm間隔に採取し、それらの中に含まれる浮遊性および底生有孔虫のそれぞれ単一種を40〜50個体拾い出し、それらの殻(CaCO_3)の酸素同位体地を測定した。その結果、宮古島沖のコアは約15万年前まで、四国沖は約2万年前まで、八戸沖は1万年前まで、襟裳岬および釧路沖は約2万年まで達していることが明らかになった。そして、それぞれのコアの酸素同位体比カ-ブを外洋域の標準的な酸素同位体比カ-ブと比較することによって、各海域の海流系の変遷を今までに測定した日本周辺の約15本の海底コアの酸素同位体比カ-ブを考慮に入れて考察した。宮古島沖と四国沖のコアはグロ-バルな氷期、間氷期の気候変化に支配され、襟裳岬沖と釧路沖は氷期に親潮の南下が示唆され、八戸沖は過去1万年の間、津軽暖流の影響下にあったことが判明した。また、本年度調査した八郎潟から産出した貝化石群集は、現在能登半島以西に分布している種が含まれ、約6,500年前の縄文時代前期は現在より温暖で、対島暖流の勢いが強かったと考えられる。
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