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日本列島の最終間氷期以降の海況変化にともなう植生の時空間変化と拡散モデル

研究課題

研究課題/領域番号 02225204
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関神戸大学

研究代表者

松下 まり子  神戸大学, 教養部, 教務職員 (50110804)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード植生変遷 / 海況変化 / 花粉分析 / 照葉樹林
研究概要

日本列島の最終間氷期以降の植生変遷をとくに海況変化との関連でとらえ,植生および植生を構成する種群の拡散モデルを構築するために,照葉樹林の発達過程に着目し,主に太平洋に面する海岸低地および内陸域の低地の花粉分析をおこなった。その結果次のことが明らかになった。
1.関東以西の低地部では,後氷期を通じて照葉樹林が拡大,成立するが,照葉樹林を形作る要素や拡大時期,発達の様式には地域によって差異がある。2.照葉樹林の成立時期と樹種構成やその発達過程は,日本列島の南西部から北東部へ,そして,沿岸域から内陸域へと温度勾配にしたがって連続している。3.日本列島太平洋沿岸部は,10000年前にはすでに黒潮の影響下にあり,照葉樹林構成要素は潜在的に分布していた。中でも,伊豆半島松崎低地は日本列島の中央より東に位置するが,早くから黒潮の影響を受け温暖であったため,シイ林の発達が著しく,カシ類やナラ類を随伴しない(松下,1990)。また房総半島太東崎での後氷期初期に堆積したと思われるピ-ト(年代測定中)からも落葉広葉樹花粉とともにシイノキ属,アカガシ亜属,エノキ-ムクノキ属などの照葉樹林構成要素が検出された。こられのことから,照葉樹林は九州南部から北方へ拡大するとともに,黒潮の影響を受けてきた室戸半島や紀伊半島をはじめ,伊豆半島,房総半島の南端から一斉に拡大したことが推定される。4.照葉樹林の拡大期は後氷期の前半を通じて3回認められた。これらの拡大期は海水準の変動と大きくかかわっている。8500年前の拡大期は,海水準の急速な上昇開始期におおむね一致し,7500年前の拡大期は海水準の停滞あるいは小変動期に一致する。そして6000年前の拡大期は最高海水準期に一致する。これらの拡大期では,海水準の状態がそれぞれの地域で,照葉樹林の拡大を促進する効果をもたらした。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松下 まり子: "伊豆半島松崎低地の後氷期における植生変遷" 日本生態学会誌. 40. 1-5 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 松下 まり子: "銚子半島高神低地の後氷期における植生変遷" 日本生態学会誌. 41. (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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