研究課題/領域番号 |
02225205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
仲谷 英夫 香川大学, 教育学部, 助教授 (20180424)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 生物計測学 / 大型哺乳類 / 第四紀 / 系統解析 / 生物地理 / 狩猟対象 / 古環境指標 / 先史モンゴロイド |
研究概要 |
1.従来の見解では更新世日本の中型から大型のシカ類は現生のものはなく、特にシカ科シカ属の化石は2亜属4種とされ、動物群の変遷において後期更新世末に大きな断絶があった。 今回の主として瀬戸内海海底産化石の生物計測学的調査および統計解析、系統解析からシカ属の化石は多くとも2種でそのうち1種は現生のニホンシカであることがはっきりし、現生種がかなり古く(中期更新世)から生息していたことが解った。 また現生種とはかなり違うシカ化石と現生種との関係は、現生のニホンシカや東アジア(主に中国)の更新世から現世のシカ類の生物計測学的研究を行うことにより解決できると思われる。 もし後期更新世以降ニホンシカの体の大きさに変化があったことが明らかになると、日本以外の地域でも報告されている更新世後期の大型哺乳類の体の大きさの変化が先史モンゴロイドの拡散と関連づけられていることとあわせて興味あることとなろう。 また瀬戸内海海底産の哺乳動物群について、従来産出化石を化石種のみとすることにより、層準の異なると思われるものを同一の動物群集としていたことについても大きな疑問が生じた。今後これらを整理する必要がある。 2.北海道の由仁町のマンモスとオオツノシカの化石産地の地質調査からこれらが共存していたことが明らかになった。この産地からは火山灰と泥炭が伴って発見されており、現在分析がすすめられている。 従来、オオツノシカは北海道にはいないと言われてきたが、北海道からもみつかったことにより、日本の後期更新世の生物地理学上の解釈に再検討が迫られることになった。
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