研究課題/領域番号 |
02225212
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道東海大学 |
研究代表者 |
印東 道子 北海道東海大学, 国際文化学部, 助教授 (40203418)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 先史モンゴロイド / オセアニア / ポリネシア / メラネシア / 拡散 / 適応 / ラピタ土器 |
研究概要 |
ミクロネシアを中心に発掘資料をデ-タベ-ス化した昨年に引き続き、本年度はメラネシア地域の発掘資料を収集し、デ-タベ-ス化を行った。この地域は現在もっとも活発に発掘調査が行われている地域であり、新しい発見も続々と発表されつつある。研究成果はまだ論文としてまとめられる形にはなっていないが、遺跡資料の増加と新発見の事実とをまとめ、オセアニアへの先史人類集団の2度にわたる拡散と土器文化との関係について、研究集会での口頭発表などの形で発表した。以下はその要旨である。 1、オ-ストラリアやニュ-ギニアからは4〜5万年前の遺跡が見つかっており、東南アジアの旧人や新人との関係が示唆されている。 2、ニュ-ブリテンやニュ-アイルランド、ソロモンなどのメラネシアの島々からも3万年をこえる古い遺跡が見つかった。これらの島々へは100kmもの距離を渡る必要があり、何等かの渡海技術をもっていたことが想定される。 3、これらの洪積世遺跡を残した人々がオ-ストラロイドと呼ばれる集団の祖となった。 4、3500年前頃に土器を携えたモンゴロイド集団が、東南アジア島嶼部から移住してきた。この土器はラピタとよばれ、ニュ-ギニア北岸やメラネシアの大きな島々の海岸部や小さな島々から見つかる。この集団は非常に早いスピ-ドでフィ-ジ-へと東進し、そこからサモアやトンガというポリネシア文化揺籃の地へと進んだ。 5、メラネシアにとどまったこのモンゴロイド集団の一部は、オ-ストラロイドと混血をし、ポリネシアとは異なった文化を形成した。 6、ラピタ以前の土器がニュ-ギニアで最近発見され、メラネシアの土器の起源を探る上で重要な手がかりになると考えられる。
|