研究課題/領域番号 |
02226109
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
船木 和夫 九州大学, 工学部, 助教授 (60091352)
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研究分担者 |
山藤 馨 九州大学, 工学部, 教授 (90037721)
大城 桂作 九州大学, 工学部, 教授 (40038005)
白楽 善則 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (90198656)
住吉 文夫 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20136526)
松下 照男 九州工業大学, 工学部, 教授 (90038084)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
1990年度: 16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
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キーワード | 酸化物超伝導体 / 高電流密度 / 線材化 / 電流密度異方性 / MPMG法 / スピンコ-ト熱分解法 / 複合超伝導線 / MPZ |
研究概要 |
酸化物超伝導体の臨界電流密度を微小交流磁界重畳法等によって評価してピンニング機構や異方性を明らかにし、線材の長尺化や安定化についての課題等を検討した。以下テ-マ毎に結果を報告する。 (1)MPMG法によって方向性凝固させたYBaCuOバルク材から結晶軸が揃った領域を切り出して、臨界電流密度の磁界依存性、異方性、温度依存性を測定した。測定した温度領域4.2〜80Kの範囲で、C軸に垂直方向と水平方向の臨界電流密度に5〜9倍程度の異方性があること、また、C軸に垂直な方向では77K,1Tの磁界中でも数100A/cm^2程度の臨界電流密度に達することが明らかになった。このことは、MPMG法で作製した試料では粒界が非常に少なく、その電気的接触もかなり改善されていることを示している。さらに、特に40〜80Kの比較的高温領域においては大きな常伝導析出物をピンニング中心とした理論的考察で実験結果が良く説明されることから、この領域では211相の分散粒が有効なピンニング中心であることが示唆された。 (2)比較的簡便に薄膜を作製できるスピンコ-ト熱分解法を用いてBi(Pb)SrCaCuO薄膜特性の向上を図っている。今回は、焼結時における膜成分の蒸発を抑制するための“前熱処理"のプロセスを新たに加えることによって高温相からなるBi系超伝導膜を作製できた。得られた膜は平坦で滑らかな表面を持ち、Tc onset=107.0Kという良い特性を示した。 (3)複合超伝導テ-プにおける高導電性金属と超伝導体との接触抵抗が線材の冷却安定性に及ぼす影響を最小伝播領域(MPZ.クエンチに必要な最短の常伝導領域)を用いて検討している。今回は、線材に流しうる最高の電流密度を与える安定化条件としてMPZ=0を採用し、熱方程式と等価回路方程式を連立して近似的に解析して許容される線材の電流密度の上限値と接触抵抗率との関係を導いた。
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