研究課題/領域番号 |
02226201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
能登 宏七 岩手大学, 工学部, 教授 (40005898)
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研究分担者 |
松川 倫明 岩手大学, 工学部, 助手 (40221585)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 酸化物 / 高温超伝導体 / 臨界電流密度 / 動的安定性 / 熱伝導度 / クエンチ電流 / 複合安定化 / 実用線材化 |
研究概要 |
超伝導体を超伝導線材として実用化するには、充分に高い臨界電流密度と共に安定性を確保する事が必要不可欠である。安定性の悪い線材では臨界電流値よりずっと低い電流値でクエンチして常伝導状態に転移してしまう、線材の安定性には断熱的安定性と動的安定性とがいり、前者は線材の比熱に関係し、後者は熱伝導度に関係する。酸化物高温伝導体は一般に大きな比熱を持つので、断熱的安定性は充分に高いと思われる。しかしながら我々のこれまでの研究によれば、酸化物高温超伝導体ペレットの熱伝導度は大変に小さいために、動的安定性が悪く、臨界電流よりかなり低い電流値でクエンチする。従ってこれらを実用化するためには、多芯化又はテ-プ化等の安定化が必須であると思われる。即ち高温超伝導体の線材としての実用化のためには、臨界電流密度の向上への努力と共に、動的安定化に関する研究・評価も非常に重要である。 我々はこれ迄YBa_2Cu_3O_<7ーy>(YBCO)、GdBa_2Cu_3O_<7ーy>(GBCO)、Bi_2Sr_2CaCu_2O_y(BSCCO)、Bi_<0.7>Pb_<0.3>SrCaCu_<1.5>O_y(BPSCCO)、La_<1.85>Sr_<0.15>CuO_4(LSCO)等の熱伝導度Kを測定研究してきた。これら酸化物高温超伝導体のKは非常に小さい。そのため最小伝播領域(MPZ):lmも小さくなる。YBCOについて見積もると、0.38μm(4.2K)、14μm(77K)となる。また、理想的な物性値(J_c=8×10^5A/cm^2、ρ=2×10^<ー4>Ωm、K=70mW/cm・K at 77.3K)を用いると、1.2μm(77K)となる。従って、銅や銀などの高伝導率(電気伝導率および熱伝導度)の安定化機材との複合により、動的安定化してやる必要がある。1例として、銅との多芯化を想定すると、その芯線径は、90μm(77K)以下にしてやる必要がある。 また、MPZが小さい場合のクエンチ電流密度J_qを見積もり、このJ_qのモデルの実証実験も行った。
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