研究課題/領域番号 |
02226205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
奥山 克郎 山形大学, 工学部, 教授 (70007011)
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研究分担者 |
大嶋 重利 山形大学, 工学部, 助教授 (40124557)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導薄膜 / 帯溶融法 / 超伝導薄膜の単結晶化 |
研究概要 |
本研究の目的は、基板上に成膜したアモルファスYBCOを、帯融法により単結晶化するプロセス技術を明らかにし、マイクロブリッジ型ジョセフソン素子への応用することである。本年度は、まず(1)ストイキオメトリックなアモリファスYBCO膜をDCマグネトロンスパッタ法により形成するためのタ-ゲット組成の検討を行い、Y:Ba:Cu=1:2.7:3の組成が最適であることを明らかにした。 (2)MgO基板上に形成したアモルファスYBCO膜を赤外線集光による帯溶融装置を用いて、900〜1000℃、走引速度0.15〜0.6mm/min、酸素雰囲気中で帯溶融を行った。980℃の帯溶融により、アモルファスYBCO膜は多結晶膜となり、配向性もみられたが、半導体的でありTcエンドは50K以下であった。 (3)基板のMgOと0.3μmのYBCO膜の間に、200〜5000A^・のAg薄膜を中間層として挿入し、Ag中間層が帯溶融後のYBCO膜の結晶性と超伝導特性に与える効果を調べた。200〜1000A^・のAgの中間層がある場合、帯溶融温度が920℃においても、結晶粒は直径約2μmに成長し、Ag中間層の無い場合に比べ数倍であった。帯溶融温度を上昇させると、結晶粒の成長と、C軸配向が進み、980℃では直径10μm以上の板状結晶が得られた。帯溶融温度の上昇と共にTcも向上し,980℃ではTcオンセット90K,Tcエンド75Kとなった、Ag中間層の厚さを4800A^・とした時は、結晶粒も小さく、抵抗ゼロも得られなかった。以上より、Ag中間層は、帯溶融後のYBCOの特性改善に効果的であり、0.3μmのYBCO膜に対し、Ag500〜1000A^・が最適であることが分かった。 (4)今後は、YBCO膜を〜10μmの幅のスリットとして、帯溶融による単結晶化を試みる。
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