研究概要 |
超伝導酸化物をデバイスに応用する上で,高品質薄膜の作製と平滑な薄膜の積層技術が重要である。本研究では各種スパッタ法によりinーsituで超伝導になるYーBaーCuーO系薄膜やBiーSrーCaーCuーO系薄膜を作製してその超伝導特性を調べ,電子デバイスの基礎的研究として積層薄膜の電気的特性や超伝導ブリッジの特性を調べた。 1.薄膜形成・・・・・・・・オフアキシスRF,基板ホルダDCバイアスRFマグネトロン,ホロ-陰極DC,イオンビ-ムのスパッタ法等で成膜し,それぞれ比較的平滑で超伝導になる薄膜を得ている。RFマグネトロンスパッタ法では薄くてc軸配向した薄膜でバルクと同程度のc軸長1.168nm,90.4KのTcをもつYBCO薄膜ができた。またイオンビ-ムではホロ-放電による活性酸素の基板吹きつけにより,80KのYBCO膜も得られた。 2.トンネル接合の形成・・・ホロ-陰極を用いたDCスパッタ法でBi系薄膜を製作し,その上にPbを蒸着して積層膜の電気的特性を調べた結果,Y系薄膜の積層膜で報告されている結果と似たSINS的な微分抵抗ー電圧特性が得られた。 3.ブリッジの製作・・・・・1.で得られた薄膜を利用してA1斜め蒸着と低エネルギ-イオンビ-ムエッチング法により膜厚変化型ブリッジを製作した。この方法により,現在のところブリッジ長約80nmのブリッジが作製されている。液体窒素温度で9.67GHzを照射したブリッジの電圧ー電流特性はシャピロステップに関係すると思われる構造を示した。
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