研究課題/領域番号 |
02227210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
兒嶋 弘直 山梨大学, 工学部, 教授 (90020346)
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研究分担者 |
田中 功 山梨大学, 工学部, 助手 (40155114)
斉藤 幸典 山梨大学, 工学部, 助教授 (70005445)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 単結晶 / 浮遊帯域法 / 異方性 |
研究概要 |
酸化物高温超伝導体の超伝導機構の解明には大型の単結晶を用いて種々の物性を測定することが不可欠である。本研究では、酸化物超伝導体であるLa_<2ーx>Sr_xCuO_4,Nd_<2ーx>Ce_xCuO_4ならびにBi_2Sr_2Ca_2Cu_3O_<11>単結晶を溶媒移動浮遊帯域法(TSFZ法)を用いて育成しようというものである。これらの酸化物はいずれも分解溶融化合物であるので、単結晶を育成するには、これら固相の組成と平衡にある液相組成から育成させなければならない。平成元年度にはLa_<2ーx>Sr_xCuO_4系単結晶が育成可能な液相組成を明らかにし、実際にLa_<1.86>Sr_<0.14>CuO_4の良質大型単結晶を育成・評価した結果は、Tc=37.5Kの超伝導体単結晶であることを確認した。平成2年度も引き続きTSFZ法を用いてLa_<2ーx>Sr_xCuO_4系単結晶のxを変化させた、即ちストロンチウム固溶量を0から0.3まで変化させた単結晶育成を試みた。ストロンチウム固溶量を0にしたLa_2CuO_4単結晶の育成結果は径4mm、長さ40mm大の育成結晶が得られた。この育成結晶の超伝導特性を測定した結果、Tc=32Kでマイスナ-効果が負になり超伝導性を示した。この結晶をアルゴン気流中でアニ-ルすると常伝導を示した。このアニ-ル結晶を再び酸素気流中でアニ-ルすると超伝導性を示した。このようにストロンチウム固溶量が0のLa_2CuO_4単結晶でも少量の過剰酸素により超伝導になることが明らかになった。また、本年度にはNd系単結晶育成のための液相の最適化学組成を決定し、単結晶の育成をも試みた。今後もNd系単結晶の育成を続けて行ないたい。
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