研究概要 |
森林が伐採されて畑地・水田・牧草地などに変化した場合,熱・水蒸気交換量が変化する.東南アジアの熱帯雨林の伐採に伴う熱・水蒸気交換量の変化の測定の一部に,衛星デ-タを使用する目的で研究を行っている.また,グロ-バルなEcoーclimate図作成のための研究も行った. タイとインドネシアについてGMSデ-タで気温や蒸発散量を推定するためデ-タの取得を行った.タイについては1990年2月14日の00Z〜18Zまでの間の2時間おきの8デ-タである.また,インドネシアについては,1990年の2月22日の00Z〜18Zまでの間の2時間おきの8デ-タである.これらによるとタイとラオスの国境地帯の伐採地と森林地が1990年2月14の01:31Z〜03:31Z(現地時間午前8:31〜10:31)に良く表れている.また,インドネシアのボルネオ島では1990年2月22日の05:31Z〜07:31Z(現地時間午前11:31〜12:31)に地表面温度の高低が良く表現されている.さらに,昨年の研究に続いて,GMSデ-タによる地表面温度の推定誤差について検討した.まず,LOWTRAN 6によって5種類の地表面温度,6種類の標準大気モデル,5種類の天頂角を用いてT'_<BB>を求めて,補正値△T'(地表面温度ーT'_<BB>)を計算し,さらに同じ条件でGMSの補正式より計算したT_<BB>と地表面温度の差(△T)とを比較した.その結果,両者の間にはほとんど相関が認められなかった.衛星デ-タによる蒸発散量の推定は,昨年と同様に比較的簡単な平衡蒸発散モデル(PriestleyーTaylor法)を利用した.実測デ-タをもとに,α=1として得られた値(平衡蒸発散量)と熱収支法から求めた実測蒸発散量とから森林と畑地についてαを決定し,このαについて考察した.
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