研究課題/領域番号 |
02228202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
成瀬 廉二 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10002099)
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研究分担者 |
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (10111361)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 衛星デ-タ / ランドサット / パタゴニア / 南アメリカ大陸氷河 / 氷河変動 / 氷河消長 / 気候変動 / 地球温暖化 |
研究概要 |
本研究は、南アメリカ大陸の氷河および積雪域の年々変動の実態をランドサット・デ-タを用いて解析し、それらの結果と地球規模の気候変動との関係を明らかにすることを目的として行われた。南パタゴニア氷原をカバ-するランドサット・デ-タで、ほぼ雲がなく氷河研究に使える夏期のデ-タは僅か数シ-ンしかないが、これらのうち1976年のうち2月25日のMSSデ-タと1986年1月14日のTMデ-タを使用し、最近10年間の氷河変動を把握することを試みた。更に、1947年の空中写真を使って作成された50万分の1の氷河分布図を利用して、1947ー1976年の変動も抽出した。解析結果を、以下の三氷河に分けて述べる。 (1)Bruggen氷河:氷原の西側に分布する本氷河は、1947ー1976年に最高9km(310m/年)近く前進し、フィヨルドを塞いで末端が南北2つに分かれた。後退傾向が多いパタゴニア氷河の中では非常に特異な存在である。 (2)Jorge Montt氷河:氷原の最北端に位置し海へ流出する本氷河は、ほぼ一定な速度で39年間に1400m(36m/年)後退した。1947ー1976年の変動で顕著な点は、氷河の幅が大きく減少したことである。 (3)O'Higgins氷河:氷原の東側に分布する本氷河は、39年間に最大約10km(251m/年)の非常に大きな後退を示した。研究対象地域では、飛び抜けて大きな後退量である。また、北パタゴニア氷原で最大の後退量を示したSanRafael氷河(1944ー1986年で2800m)と比べても非常に大きな値である。 南パタゴニア氷原周辺の気象デ-タの解析結果によると、1948ー1965年の降水量減少と1970年以降の気温上昇傾向が、最近10年間(1976ー1986)の氷河後退の一要因とみなせる可能性も示唆できるが、詳しいメカニズムの検討は今後の課題である。
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