研究課題/領域番号 |
02228228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
竹内 延夫 国立環境研究所, 大気圏環境部, 室長 (60101044)
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研究分担者 |
横田 達也 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (30150163)
鈴木 睦 国立環境研究所, 大気圏環境部, 主任研究員 (60142098)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 地球大気環境 / 成層圏オゾン / TOMS / 台風 / 成層圏・対流圏の交換 / 衛星観測 / 解析法アルゴリズム |
研究概要 |
衛星を利用した地球観測の一環として、本研究では(1)衛星デ-タの利用、(2)衛星センサ-性能のシミュレ-ションを行った。(1)ではNimbus7搭載のTOMSデ-タから、成層圏・対流圏交換現象に注目して、台風がTOMS全オゾン量に及ぼす影響を調べた。1983年〜1989年間の約120の台風の影響をGRIDーTOMS第5版(NASA)を使用して検討した。Nimbus7の通過時刻(地方時正午)の台風位置を台風経路図で正確に求めて比較した結果、約半数に台風と関連した“特徴"が見られた。この“特徴"には2種類あり、台風の中心位置で全オゾン量が大きいCD(Central Dense)型と中央は薄くて周囲から吹き込んでくるS(swirl)型に分類される。CD型は台風の発達時に見られることが多く、台風の中心部(“眼"周辺)で成層圏または対流圏頂部から上部対流圏(200mb面:高度11〜12km)にオゾンに富んだ気塊が下降してくることによる。一方、S型は高層の気圧の谷の位置の圏界面ギャップを通して下降してきたオゾン気団が大気の擾乱による移流に伴って台風の近くまで移動し、そこで台風に引き込まれることによる。これらの過程は気象庁客観解析デ-タから、上層の温度分布、温位、風の方向および流線の解析によって裏付けられる。(2)に関してはADEOS搭載のILASについてFASCODEプログラムを用いて、地球周縁方向の掩蔽法の感度計算を行ない、温度が±20度異なるとオゾン濃度が±10%変化するという結果を得た。これはオゾン濃度の精度を±1%で知るためには温度の精度が±2°で測定する必要性を示している。また半導体レ-ザ-(LD)を局部発振光としたレ-ザ-ヘテロダイン検出法に関して、H_2Oの計測を想定して、その理論的検討と微量濃度測定の基礎実験を行い、太陽を光源とする場合は1.4μm帯でも十分感度が良いことを示し、微量成分測定の基礎実験として、H_2Oの高分解能スペクトルをLDを光源として測定した。
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