研究概要 |
Si_3N_4本来の耐熱性を利用するには、接合体におけるSi_3N_4と金属間の厳密な固相反応制御が要求される。本研究では、Si_3N_4と耐熱金属の一つであるNbとの高温における両立性を、接合体断面の組織観察および元素の定量分析およびX線回析による相の同定より調べるとともに、Si_3N_4とNbの接合強さとの関連も検討した。接合温度1573K以上で接合が開始し、7.2ksの一定接合時間では接合温度1673K以上では接合強さ300MPaの最高値を示し、それ以上の接合温度の上昇ではやや接合強さの低下を与え、例えば接合温度1873Kで235MPaを値を示した。これらの結果は接合温度1573K以上でSi_3N_4とNbの反応を示すもので、1673K,7.2ksの接合条件におけるSi_3N_4/Nbの接合体の断面組織では、Si_3N_4とNbの界面には層状の相、さらにNb内には別に塊状の相が認められる。各相の定量分析結果によれば界面における相にはSi16.5al%Si以外に18.5at%Nが含まれ、これはX線回析結果との対応からNb_5Si_3のNbケイ化物とNb_2NのNb窒化物の二相から成り立ち、このうち界面における層状の相がNb_5Si_3、これに隣接している塊状の相がNb_2Nに対応している。さらに高温の接合温度1873Kにおける接合体の断面組織観察では、Si_3N_4とNbの界面には厚さ約10μmに成長した層状のNb_5Si_3相,さらにNb内には別に塊状のNb_2N相が認められる。なお、40at%前後のSiを含む層状のNb_5Si_3相内部には68at%のよりSi量の多いNbSi_2が混在いている。このことは反応相の定量分析結果からも示され、1873KにおけるSi_3N_4とNbの反応相としてはNbSi_2 Nb_5Si_3のNbケイ化物とNb_2NのNb窒化物である。結局、NbはSi_3N_4と極めて良好に接合が行えることが分かった。
|