研究課題/領域番号 |
02230211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
中平 靖弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90004332)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 光誘起電子移動反応 / 電子移動反応 / 14族元素化合物 / ラジカル時計 / 光アルキル化 / 芳香族ニトリル / ピリリウム塩 |
研究概要 |
単純なテトラアルキル14族元素化合物を量子供与体に用いて、芳香族ニトリルを光アルキル化出来る。このアルキル基移動は光シリル化と同様位置選択的である。導入位置は芳香族ニトリルの置換様式で決まる。本反応の鍵段階は電子移動である、これは芳香族ニトリルの蛍光のアルキル体による消光実験、さらに電子移動による自由エネルギ-変化の考察から示される。また、アルキル体の中心元素がケイ素、ゲルマニウム、スズとなるにつれてアルキル化生成物の収率は向上する。アルキル基移動は化学選択的で、その序列はMe>Bu>iーPr>tーBuである。 光アルキル基移動がラジカルカチオンによる芳香族ニトリルラジカルアニオンの直接攻撃、もしくは開裂してフリ-なアルキルラジカルとなり、これによる攻撃かを区別するためラジカル時計の手法を用いた。この目的で5ーヘキセニル基を持つシラン、ゲルマンおよびスタンナンを合成し、ラトラシアノベンゼンの光アルキル化を行った。いずれの場合も対応する鎖状生成物および環状生成物が得られ、その比は14族元素によって連続的に変化した。シランでは鎖状生成物が優先し、一方スタンナンでは環状生成物が優先して生成した。鎖状生成物の生成を総てフリ-ラジカル経由であるとすると鎖状環状生成物の比が14族元素によって大きく変化することを説明できない。したがって、鎖状生成物の生成にはラジカルカチオンが関与し、比較的開裂し難いシランではその寄与が大きく、ゲルマン、スタンナンになるにつれて開裂し易くなり、フリ-ラジカルの寄与が大きくなり環状生成物に生成が優先するようになるとして理解される。 同種の光アルキル化がピリリュウム塩およびベンジルを電子授与体として起こることが見いだされた。
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