研究課題/領域番号 |
02230224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大久保 捷敏 熊本大学, 工学部, 教授 (00040402)
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研究分担者 |
佐川 尚 熊本大学, 工学部, 助手 (20225832)
石田 斉 熊本大学, 工学部, 講師 (30203003)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Catalytic Antibody / 抗体触媒 / 人工酵素 / 分子認識場 / 分子設計 / 遷移状態類似体 / 分子軌道研究 / リピッド型ポルフィリン |
研究概要 |
ある種の酵素あるいは近年注目を集めているCatalytic Antibody(抗体触媒)は、化学反応の遷移状態を特異的に認識・結合することによって安定化し、反応を著しく加速するとともに立体選択性等も効率よく制御している。本研究では、遷移状態と類似の構造を有し、かつ安定に存在し得る遷移状態類似体(TSA)を合成し、TSAと配位結合・水素結合・疎水相互作用を通して多点で結合しうる分子認識場の設計・合成を目的とする。また、酵素や抗体触媒における認識がペプチドによってなされていることから、ペプチド鎖を側鎖に有するリピッド型ポルフィリンを合成し、ペプチド鎖による分子認識の基礎的情報を得ることを第2の目的とする。対象とする化学反応としては、主にアミノ酸エステルの立体選択的な加水分解反応を選んだ。まず第1の目的に対しては、TSAとして四面体構造を有するリン酸エステル、硫酸エステル、アンモニウム塩誘導体を合成した。これらの化合物はそれぞれ、アニオン性、中性、カチオン性であり、生成した触媒の反応性とTSAの電荷の関連からも興味深く、現在、抗体触媒の作成も並行して行なっている。これらのTSAと結合する分子認識場としては、大きなπ共役系と水素結合しうる基を有するリジッドな構造をもつポルフィリンと、側鎖にアミノ酸あるいはペプチドを有するリピッド型ポルフィリンを設計した。これらの設計の指針としてMOならびにMM計算を用いたが、前者はキラルなビフェニル基の合成を終え、後者は極性基をヘッドに有するアミノ酸誘導体を合成し、それぞれを側鎖として有するポルフィリンの合成を現在進行中である。また、ペプチドによる分子間相互作用のモデルとしてはヒスチジンを測鎖に有するリピッド型ポルフィリンを、研究者らによって既に明らかにされている膜中のヒスチジン誘導体とアミノ酸エステルとの相互作用を基にして設計、現在合成中である。
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