研究課題/領域番号 |
02230227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
阿波賀 邦夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (10202772)
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研究分担者 |
横山 利彦 広島大学, 理学部, 助手 (20200917)
稲辺 保 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20168412)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | フリ-ラジカル / 強磁性的相互作用 / 分子設計 |
研究概要 |
ニトロキシル系ラジカルは、NーO結合の配位結合性を反映した大きな電荷分極と、NO基上のπ電子とn電子との空間的接近に由来する大きなスピン分極を有する。この無機物に近い二つの電子特性は、この系のフリ-ラジカルに有機物と無機物の中間的な構造を与え、双方の利点を兼備したような物性の発現を期待させる。 pーニトロフェニルーαーニトロニルニトロキサイド(pーNPNN)には、一次元積層構造をとるα相と二次元ネットワ-クをもつβ相の二つの多形が知られている。これらはともに有機ラジカルとしては非常にめずらしい強磁性的な分子間相互作用をもち、その磁性と構造との相関が関心を集めている。本研究では、この物質の新たな多形、γ相を見いだし、その結晶構造解析を行った。γ相ではc軸方向に一次元積層カラムが成長しており、カラム内の隣接二分子の配向はheadーtoーheadであった。それに対して同じく一次元カラムを有するα相ではheadーtoーtailとなっている。各一次元カラムは水素結合によって結ばれており、全体として二次元構造を形成しているが、β相のものとは様相を大きく異にしている。γ相の磁気特性を調べたところ、α、β両相と同様に強磁性的相互作用をもつことが分かった。pーNPNNの三相ではNO基とNO_2基との接触が共通に見られることから、この物質の強磁性的相互作用はこの接触に起因しているものと考えられる。
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