研究課題/領域番号 |
02231206
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
広部 雅昭 東京大学, 薬学部, 教授 (20012594)
|
研究分担者 |
樋口 恒彦 東京大学, 薬学部, 助手 (50173159)
増野 匡彦 東京大学, 薬学部, 助手 (90165697)
長野 哲雄 東京大学, 薬学部, 助教授 (20111552)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | チトクロ-ムP・450化学モデル / P・450軸配位子効果 / チトクロ-ムPー420 / EXAFS / 人工SOD / 活性酸素消去剤 |
研究概要 |
本研究は薬物代謝酵素チトクロ-ムPー450の酸素分子活性化と基質酸化機能発現おおよび生体内酸化反応種の生成と制御を種々の構造・環境要因の複合効果という視点から捉え、その分子機構を詳細に解析し、薬物の開発、合成化学に応用することを目的としているが本年度は次の成果を得た。 (1)Pー450の化学モデルとして分子内で安定にS基を軸配位子として有する新規ポルフィリン鉄錯体(SR錯体)を合成し、S基の酸素分子活性化に及ぼす効果を明らかにしたが、さらにEXAFS法によりSR錯体の構造を検討し、Fe原子をとりまくN原子およびS原子の位置関係が実際のチトクロ-ムPー450に極めて近似していること、またサイクリックボルタンメトリ-によりFe原子が高電位状態にあること、スペクトル的に3価低スピン型であることなど、機能的にも構造的にもすぐれたPー450モデルであることを明らかにした。 (2)Pー450の最大の構造特性であるS基軸配位子の意味について化学モデルと対比する目的で、ラット肝ミクロソ-ムよりPー450およびS基の存在しない変性Pー450(Pー420)を調製し,機能の比較を代謝化学的に検討した。その結果、Shunt系での脱メチル化活性はいずれもほぼ同じであったが、芳香環水酸化、オレフィンのエポキシ化、アルカンの酸化などの活性はPー420で全く失われ、S基軸配位子の重要性が明らかになり、化学モデルとの良い対応が示された。 (3)初年度人工SODとしてTPEN,TPAAを開発したが、in vivoで特に活性の強いTPAAに焦点をしぼり、各種類縁体を合成し生体内活性発現機構について詳細な研究を行った結果、安定性、膜透過性にすぐれ、抗炎症剤として生体系に適用可能な優れたSODmimics候補の開発に成功した。
|