研究課題/領域番号 |
02232219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
志水 隆一 大阪大学, 工学部, 教授 (40029046)
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研究分担者 |
坪川 純之 大阪大学, 工学部, 文部支官(教授職員) (40175469)
木村 吉秀 大阪大学, 工学部, 助手 (70221215)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 超格子界面 / 電子線ホログラフィ- / 電位分布直接観察 / 高分解能電子顕微鏡 |
研究概要 |
電子線ホログラフィ-は、電子波の位相分布を定量的に測定する事ができる。我々はこの電子線ホログラフィ-を半導体の表面・界面の研究に応用する事を目的に研究を進めてきた。 試料はAl_XGa_<1ーX>/GaAsの{110}結晶面へき開性を利用してくさび形に作成し、高分解能電子顕微鏡(JEMー100CーFEG)、加速電圧80KVで観察した。超格子界面の位置は等厚干渉縞により容易に確認でき、超格子部分からの透過波(物体波)と真空中を通った参照波を電子線バイプリズムによって重ね合わせ、ホログラムを作成した。このホログラムより超格子構造に対応した電子線の位相分布を得ることに成功した。位相は(試料厚さが同じならば)主に平均内部電位に比例して変化するため、位相分布を定量的に測定できる電子線ホログラフィ-は、超格子界面におけるAl組成分布の定量測定に新たな方法を提供するものとして期待できる。しかし加速電圧80KVの電子線では透過能が不足しているため、くさび形試料の先端部分のみの観察に留まった。そのためコンタミネ-ションの影響、試料最先端部の欠損などが再生位相像に影響を与えていると考えられ、電位分布の直接観察には至っていない。 この問題に対する解決策として、我々は200KVの高輝度電子線ホログラフィ-顕微鏡の開発を行なっており、先頃TEM用ZrーOーW(100)熱電界放射型電子銃を開発し、200KVにおける輝度の測定値6.4×10^7〔A/cm^2・sr〕を得た。現状において既に従来のLaB_6熱電子銃と比較して1桁以上高い測定値となっているが、さらにもう1桁以上の向上が望めると判断しており、半導体表面界面の電位分布直接観察の有力な手段になると期待できる。
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