研究概要 |
X線顕微鏡の検出器として,X線ズ-ミング管は,「(i)空間分解能の高さ,(ii)拡大率の変更の容易さ,(iii)実時間測定が可能であること」などの優れた性質を有し,開発が期待されている。ズ-ミング管の検出部は,X線感受性の光電面であるが,現在使用しているCsIの他,いくつかの材料が考えられる.また波長特性ももっと短波長,長波長でも使える可能性が高い.我々はそれらの点を考え,次のような実験を試みた。 (i)CsI,RbI,CuI,Auおよびそれらのポ-ラスになったものについて厚さを300〜4000A^^°に変えて光電面を作成した。それらを放射光研究施設のビ-ムライン11Aを用いて,光電変換効率を測定した.波長範囲は,観測可能な1.5nm〜15nmである.第1回めの実験が3月9日〜12日まで(72時間)で,まだ解析の途中なので結果は報告できないが,CsI,RbIは共に光電変換物質として優れていることは確かめられた。 次回の実験を5月20日頃より行う予定で,その際にはズ-ミング管の光電面として,今回のスクリ-ニングの結果を基に,何種類かを試す予定である.単年度で結果をまとめることは容易ではないが,数ヶ月の間にはこれらの結果をまとめて学会等に報告する予定である.
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