研究課題/領域番号 |
02235210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 泰裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60170221)
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研究分担者 |
木村 元喜 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00031964)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1990年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | エイズ / gP160 / CD4 / 核移行タンパク / 細胞傷害 |
研究概要 |
HIV感染による細胞傷害の機序をその重要な決定因子と考えられるHIVーenvとCD4の関係に限定して解析するためにHIVーenv遺伝子の発現をインデュ-サ-により調節できる細胞系の樹立を試みた。そしてCD4^+、CD4^ーのヒト単球細胞株、ヒトT細胞株のそれぞれにHIVーenv発現コンストラクトを遺伝子導入したクロ-ン化細胞を得た。これらのHIVーenv発現細胞株を用いた解析により、細胞内で同様にenvタンパクを発現させても細胞傷害を生じるのはCD4^+細胞株のみでCD4^ー細胞株には生じないこと、CD4^+細胞体ではenvタンパクは細胞内でCD4と複合体を形成しておりこのことが細胞傷害に直接関与していることが明らかになった。さらに免疫電顕法を用いた研究により、それらenvーCD4複合体が核膜孔周囲に蓄積していることが明らかにされ、このenvーCD4複合体による核膜孔を介した細胞内物質輸送の障害がHIVーenvによる細胞傷害の直接原因と予想された。SV40ラ-ジT抗原の核局在化シグナルであるPraーLysーLysーLysーArgーLysーValーGluをウシ血清アルブミンに結合させて作った合成タンパクは赤血球ゴ-スト法により細胞内へ注入すると核膜孔を通過して核に移行することがYonedaら(Exp.Cell Res.170:439,1987)により報告されている。HIVーenv発現ヒト細胞株の核膜孔にenvーCD4複合体の蓄積が生じた時期に、この方法を用いて核移行タンパクを細胞内へ注入しその核移行障害の有無を電顕を用いて検討した。その結果、envタンパクが発現した細胞株では他の細胞機能が保たれている非常に早期より核移行タンパクの核膜孔を介した核への輸送が阻害されていることが実証された。
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