研究課題/領域番号 |
02235213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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研究分担者 |
岡田 則子 福岡大学, 医学部, 助手 (20160682)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1990年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 補体 / HIV / エイズウイルス / DAF / HRF20 / 細胞膜 |
研究概要 |
HIV(エイズウイルス)感染者は、HIVに対する抗体を血清中に保有しているにもかかわらず、抗体と補体の反応による破壊を受けない。これはウイルス粒子上にDAF(decay accelerating factor)やHRF20(20KDa homologous restriction factor)などの補体制御膜糖蛋白が存在するためであろうと推察した。 そこでDAFに対するもモノクロ-ナル抗体であるlC6と、HRF20に対するモノクロ-ナル抗体であるlF5を用いて、DAF及びHRF20の作用を抑制すればHIVがヒト補体で溶解するようになることを期待して実験を行った。3udRでRNAを標識したHIVを用いて補体によるウイルス溶解反応を検討したところ、lF5及びlC6あるいは、その両者の併用によってもウイルス溶解の誘導を確認できなかった。DAFやHRF20以外にも補体制御因子がウイルスのエンベロ-プに組み込まれていることが推察される結果であった。 一方、MOLT4などの培養細胞株にHIVを感染させるとHRF20の発現低下が認められたので、このことはウイルスの発芽に伴ってHRF20がウイルスエンベロ-プによってある程度取り去られてしまうことを示す知見とも考えられた。 HIV感染者の末梢血リンパ球についてHRF20の発現量をフロ-サイトメ-タ-で測定したところ、CD8陽性のT細胞ではHRF20の発現が低下していることを認めた。これはDAFについての報告し類似しているがその原因として、HIVの感染の結果、何らがの機序によって細胞膜上のphospholypase Cが活性化されることを示唆している可能性があると考えられた。
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