研究分担者 |
由良 隆 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (20027311)
松橋 通生 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (40013297)
二井 将光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50012646)
饗場 弘二 筑波大学, 化学系, 助教授 (20025662)
安楽 泰弘 東京大学, 理学部, 教授 (20012643)
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研究概要 |
本研究班は,「大腸菌ゲノムの全体像」の中で「ゲノムの機能的全体像」を分担している.すなわち,大腸菌の遺伝子群の機能とその発現制御系のネットワ-クを拡大していって,ゲノム全体の機能を明らかにすることが最終の目標である.本年度,遺伝子発現に関して中田と牧野はリン酸レギュロンに属する<phn>___ーオペロン(炭素ーリン・リア-ゼを含む)がペリプラズム中の結合蛋白質に依存した能動輸送系を含み,Kー12株では機能していないこと,また,PhoMがPhoMーORF2とPhoBをリン酸化すること(cross talk)を明らかにした.饗場は8個のCRPーcAMP感受性プロモ-タ-の染色体上の座位と塩基配列を決定し,CRPの転写終結配列がmRNAを安定化して遺伝子発現を正に調節することを証明した.安楽は<cyoABCDE>___ーオペロン(チトクロ-ムb__ー_<562>ーo__ー複合体)をクロ-ニングし,その発現調節と好気的呼吸鎖でプロトンポンプとして働く本酵素複合体の機能の解析を行った.沓掛は鞭毛遺伝子クラスタ-の領域Iの上流部分の塩基配列を決定し,鞭毛形成に必須の遺伝子を発見した.また,領域IIIの<fliA>___ーー<fliB>___ーの間にも新しい遺伝子を発見した.嶋本は一本鎖DNA結合蛋白質(SSB)が遺伝子発現調節との関係で細胞内である濃度に保たれる機構を明らかにしつつある.二井はヌクレオチド関連蛋白質の共通ドメインに突然変異を導入してH^+ーATPaseの活性中心の構造を解析し,また,H^+に対してゲ-ト機能をもつサブユニットについても同様の解析を行った.松橋は細胞の成長と分裂に関与する<mra>___ー領域(遺伝子地図上2分)の<mraY>___ー,<ftsW>___ー,<murCDEFG>___ーと<mre>___ー領域(同71分)の<orfEF>___ーの全塩基配列を決定し,<mraY>___ー,<murD>___ー,<mreCD>___ーの機能を明らかにした.由良は熱ショック遺伝子発現誘導の初期反応の一つがシグマー32合成の翻訳レベルの脱抑制で,それにはmRNAの二次構造が重要な役割を果たすこと,また,ATP依存プロテア-ゼの調節サブユニット<clpA>___ーのアナログである<clpB>___ーも熱ショックプロモ-タ-をもつことを明らかにした.
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