研究課題/領域番号 |
02239211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山田 武範 帝京大学, 医学部, 助教授 (50027330)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | クロスブリッジ / アクトミオシン / 滑り運動 / ATP分析 / 筋収縮 / ATPアナログ / レ-ザ-光分解 |
研究概要 |
筋肉の収縮は、ミオシンクロスブリッジがATPの化学エネルギ-を使いながら、アクチンフィラメントの上を滑ることによって起こる。この滑り運動の分子機構を解明するには、運動ユニットであるクロスブリッジの力学的な特性や滑り運動とATP分解のカップリングのメカニズムを明らかにする事が重要である。 本研究では、アクトミオシンフィラメント運動のナノメ-タ-変位を検出できる高分能運動検出装置を作成して、これをcaged化合物のレ-ザ-光分解法などと組み合わせることによって、アクトミオシン運動ユニットの力学的特性(首振りかどうか)や、滑り運動とATP分解のカップリングの分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。 うさぎグリンセリン処理筋線維に光感受性のcaged ATPをあらかじめ添加しておいて、これをレ-ザ-光で照射し技筋線維内に急速にATPを産生させ、筋線維の短縮する過程を調べた。本研究ではミオシンの双頭構造を考慮して、産生されるATP濃度をミオシン頭濃度の近くにとった。その結果、筋線維はミオシン頭当り半分量のATPが産生された時にもゆっくりではあるが短縮することが分かった。そうして産生されるATP量がミオシン頭と等量以上に増えると、筋線維の短縮距離が大幅に大きくなり、またその短縮速度も速くなることが分かった。この結果、ATPの濃度によってアクトミオシンの運動パタ-ンが違うことを示唆している。 そこでミオフィブリルを使って、その表面のアクトミオシン分子にミクロビ-ズを付着させ、その動きを上記の高分解能運動検出装置によって検出することによって、アクトミオシン運動ユニットの運動を調べた。これまでの所、いくつかの技術的の困難のためにATP濃度の違いによるアクトミオシン運動の違いを検出できるまでにはいたっていないが、今後さらに測定感度を上げてこの点を明らかにする予定である。 また、上記の実験結果に基ずいて、アクトミオシン運動ユニットの運動パタ-ンの違いがどのような構造変化をともなっているかを電子顕微鏡を使って調べる予定である。
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