研究課題/領域番号 |
02240106
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高木 宏 大阪市立大学, 医学部, 教授 (30163174)
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研究分担者 |
野村 靖幸 北海道大学, 医学部, 教授 (00034041)
東田 陽博 金沢大学, 医学部, 教授 (30093066)
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
塩坂 貞夫 大阪大学, 医学部, 助教授 (90127233)
遠山 正彌 大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
50,600千円 (直接経費: 50,600千円)
1990年度: 50,600千円 (直接経費: 50,600千円)
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キーワード | アルツハイマ-病 / 化学的神経回路網 / アセチルコリン受容体 / ス-パ-オキシドジスムタ-ゼ / アドレナリン受容体 / モデル動物 |
研究概要 |
アルツハイマ-病(AD)の海馬では、ADで強く障害され、老人斑の構成要素のひとつでもあるソマトスタチンニュ-ロンに、細胞内活性酸素の消去酵素であるス-パ-オキシドジスムタ-ゼ(SOD)が豊富に含有されていることが明らかとなった。ADで量的に変化する伝達物質が活性酸素消去系と深い係わりを持つことが示唆され、フリ-ラヂカル関与説に新たな所見が与えられた(高木)。海馬や大脳皮質についで記憶の場である扁桃体においては、アセチルコリン(Ach)に加え、ペプチドの関与の様式が化学的神経回路網の解析により一部明らかとなった(遠山)。受容体・細胞内伝達の研究では、ムスカリン性Ach受容体による信号伝達が細胞内レベルで捉えられ、脳の短期記憶の機序が明らかとなった。即ち、m2とm4受容体がAch存在下でCa^<2+>チャンネルを抑制するが、m1、m3受容体では抑制しない。このようなAchによる微妙なコントロ-ルがADでは欠如している可能性が考えられた(東田)。一方、βアドレナリン受容体は、脳内小動脈分画中の受容体数の減少がADで見られた。これはADでの脳内微小血管系の異常や血行動態の変化を反映していると考えられ、血管性痴呆との相違点を追求する上で、興味が持たれた(中村)。モデル動物に関しては、昨年度本班で開発されたNGF・ジフテリアトキシン結合物によるモデル動物(塩坂)に加え、コリン性神経毒(AF64A)によるモデル動物において、Achニュ-ロンの選択的破壊と記憶学習能力の低下がより詳細に検討された(溝部)。従って、ADでの伝達機構障害を、実験動物で再現出来る可能性を得たことは大きな成果である。
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