研究課題/領域番号 |
02240108
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
黒田 洋一郎 東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 副参事研究員 (30073084)
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研究分担者 |
小倉 明彦 三菱化成生命科学研究所, 脳神経薬理, 主任研究員
久藤 佳久 三菱化成生命科学研究所, 脳神経薬理, 室長
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 異常発芽 / シナプス形成 / 培養ニュ-ロン / ATP / たん白質りん酸化 / アルツハイマ-病 |
研究概要 |
異常発芽研究のため培養中枢ニュ-ロン間形成・維持の定量的解析法の開発と確立 1<電顕による培養大脳皮質ニュ-ロン間に形成されたシナプスの観察の計測.>___ー 培養開始後7日の大脳皮質ニュ-ロン系はすでに報告したように、多数のニュ-ロンが同期した細胞内Ca^<2+>濃度の変動を示した。この系を固定包埋し、電顕で観察すると、シナプス構造が多数認められ、1サンプル当りの観察視野数を多くして平均値をとることにより、定量化することができた。 2<ATPおよびATPγSの長期添加の影響.>___ー 培養開始時からATP(10〜160μM)を長期添加して7日目にニュ-ロン内Ca^<2+>変動の頻度を指標にした機能アッセイを行い、その後同じサンプルを電顕用に固定した。無添加sister cultureの対照に比し、ATP添加のcultureではCa^<2+>変動の平均振動数および単位面積あたりの形成シナプス数とも増加の傾向を示した。この結果はectoーprotein kinaseの阻害剤と考えられるKー252bがこの系でのシナプス形成を抑制したことから考えられる「細胞内ATPによる細胞表面たん白質のリン酸化がシナプス形成の促進に重要である」という仮説を支持している。 なおニュ-ロン内Ca^<2+>変動の同期を指標としたアッセイと、電顕観察による形成されたシナプスの実数の測定値との間に見られる正の相関(r=0.90)はより一般にも見られ、機能アッセイ系によりシナプス形成の解析が簡便に行えることが明らかになった。この系により培養系におけるシナプス形成・維持の分子メカニズムについて広範な情報が得られ、脳内シナプス結合の可能性ばかりでなく、アルツハイマ-病など脳の老化関連神経疾患の治療法や予防法の開発にも役立つことが期待できる。
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