研究課題/領域番号 |
02240208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畠中 寛 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (60208519)
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研究分担者 |
池内 俊彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (20093362)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 神経成長因子 / 神経栄養因子 / 神経成長因子受容体 / 神経細胞分化 / PC12細胞 / 前脳基底野神経細胞 / RNAブロット |
研究概要 |
神経成長因子(NGF)作用の分子機構を明らかにする目的で、まず第一段階として、NGFレセプタ-の発現調節を解析し、その発現量を変動させる要因を検索した。モデルニュ-ロンであるラット副腎髄質クロマフィン細胞腫由来のPC12h細胞を用いて、NGFレセプタ-のmRNAをRNAブロット法で、また蛋白質自体をモノクロ-ナル抗体を用いたELISA法を解析した。PC12h細胞をコラ-ゲンコ-トしたディッシュ上に培養し、NGFを添加(最終濃度50ng/ml)すると、2〜4日で神経繊維を伸長し始め、PC12h細胞はニュ-ロン様に分化し始める。この過程でNGFレセプタ-の発現量の変動をまず解析した。PC12h細胞は、NGFの添加前も、既にレセプタ-を発現している。我々の解析によれば、NGFレセプタ-の発現はNGF添加による分化誘導の影響を受けず、変動しないことが分かった。むしろ、PC12h細胞の細胞密度を上げるとNGFレセプタ-の発現量が顕著に増加した。この結果は、細胞間の接着がNGFレセプタ-の発現を促進している可能性を示している。一方、我々の研究室で新たに分離したPC12h細胞の亜株でNGFに対する応答の早いPC12hーR細胞では、NGFレセプタ-の発現が高まっていることを見いだしている。PC12h細胞では、NGFレセプタ-の発現はNGF添加による分化誘導の影響を受けず、むしろ細胞密度に依存することが分かった。細胞密度を上げると、NGF添加の有無に関わらず、NGFレセプタ-の発現量が増加するので細胞間接着がNGFレセプタ-の発現を促進している可能性がある。PC12hーR細胞では、NGFレセプタ-の発現量が高くこのことがNGFに対する応答の早さの原因となっていると考えられる。今後、初代培養中枢ニュ-ロンでも解析を進める予定である。
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