研究課題/領域番号 |
02241202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
藤澤 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
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研究分担者 |
木谷 隆子 旭川医科大学, 医学部, 教務職員 (70101417)
亀下 勇 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (60127941)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素II / カルシウムイオン / 自己燐酸化 / カルモデュリン / 酵素発現 / cDNA変異体 |
研究概要 |
我々が発見したカルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素IIは脳に高含量で存在し、カルシウムイオンにより活性化されるので、神経終末部におけるカルシウムイオン濃度の一過性上昇からトランスミッタ-放出に至る過程に重要な役割を担っていると推定される。そこでカルシウムイオン濃度変化に伴なう本酵素の活性変動機構について検討した。酵素反応速度論的解析の結果、本酵素は平常は低活性型酵素として存在しており、最大活性の約15%程度の活性しか示さないが、カルシウム/カルモデュリン依存性に自己燐酸化を受けると高い活性をもつ酵素に転換すること、および自己燐酸化によってカルシウム/カルモデュリン非依存性活性が出現することが明らかになった。この自己燐酸化を受ける部位について検討した結果、最初に燐酸が取り込まれるのは酵素ボリペプチド内の286番目のスレオニンであり、この部位の燐酸化によってカルシウム/カルモデュリン非依存性活性が出現することを定量的に明らかにした。さらにこの非依存性活性が基質に低親和性であることも明らかになった。これらの結果は、本酵素がカルシウムイオン濃度の一過性上昇に伴って瞬間的にカルシウム/カルモデュリン依存性の自己燐酸化を受けて活性型酵素に転換し、脳内の種々の蛋白質の燐酸化を行ない、時間経過と共にカルシウムイオン濃度が減少した後もなお低親和性活性を持続する可能性を示唆し、トランスミッタ-放出に至る分子過程を考える上に興味深い。一方遺伝子工学的研究も進め、本酵素のcDNAを鋳型としてRNAを合成し、マイクロインジェクション法によってアフリカツメガエルの卵母細胞内で酵素活性をもつ本酵素の発現に成功した。さらに蛋白質レベルの研究から明らかになった自己燐酸化部位やcDNAの配列から推定される触媒部位、カルモデュリン結合部位等を修飾したcDNAの変異体を作成して変異酵素発現の準備を整えた。
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