研究課題/領域番号 |
02241207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
八尾 寛 京都大学, 医学部, 助手 (00144353)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | シナプス前終末 / 化学伝達機構 / カルシウム電流 / チャネルサブタイプ / 開口分泌 / 興奮一分泌連関 / 自律神経節 / パッチクランプ |
研究概要 |
1.シナプス前終末の同定 主に用いたのは、鶏胚の14日目である。鶏胚を断頭、脳切除の後、動眼神経を同定し、その断端に蛍光色素を投与し、順行性にシナプス前終末を標識した。約3時間後に毛様体神経節を摘出し、コラ-ゲナ-ゼ処理により被膜を除去した。顕微鏡下に、蛍光色素は、神経節細胞を薄く取り巻くような組織に分布しているのが認められた。この組織の厚みは、1ー2μmで、神経節細胞を半周から全周に亘り取り巻いていた。別の蛍光色素を含んだパッチ電極内液でwhole cell状態にすることにより、目的のシナプス前終末から記録していることを確認した。 2.シナプス前終末とシナプス後細胞からの同時記録 シナプス前終末とシナプス後細胞から、同時にwhole cell記録を行った。シナプス前終末に脱分極を与えることにより、シナプス前終末において、カルシウム電流が記録された。この時シナプス後細胞からは、シナプス電位または、シナプス電流が認められた。シナプス前終末とシナプス後細胞の間の電気的結合は、約半数のものに認められたが、何れも、coupling ratioは、5%以下であった。脊椎動物のシナプスにおいて、シナプス前終末とシナプス後細胞からの同時記録は、本報告が世界で最初であり、化学伝達機構の研究に適したモデルの開発に成功した。 3.シナプス前終末のカルシウム電流 シナプス前終末のカルシウム電流は、ー40mV以上の膜電位で初めて活性化され、低閾値型のサブタイプは認められなかった。また、Cd2+により強く抑制されるのが認められた。カルシウムチャネルにサブタイプが存在するのか、或は、シナプス後細胞のカルシウムチャネルとの異同については、現在研究を遂行中である。シナプス後細胞のカルシウム電流の詳細な研究を行い、2種類のサブタイプが存在することを報告した。
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