研究課題/領域番号 |
02242205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 正幸 東京大学, 理学部, 教授 (40114706)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 高等植物 / 分裂酵母 / 減数分裂 / 遺伝子クロ-ニング / アデニル酸シクラ-ゼ / RNase |
研究概要 |
分裂酵母において栄養生長から減数分裂過程への切り換えが起きる際に必要とされる因子であり、その産物に対する抗体と交差反応するものがタバコおよびブロッコリ-の若いつぼみに認められているmei2遺伝子は、種を超えて保存されている可能性がかなり高いと考えられるものである。塩基配列の相同性を利用して、シロイヌナズナのゲノムからmei2遺伝子プロ-ブにハイブリダイズするものをクロ-ン化することを試みた。ポジティブなシグナルを与えた制限酵素断片を電気泳動ゲルから切り出し、クロ-ニング・塩基配列決定を行ったが、調べた中には確実にmei2に対応すると思われる遺伝子はなかった。分裂酵母から直接高等植物では距離がありすぎる可能性を考慮し、アカパンカビでmei2プロ-ブと最も強くハイブリダイズする制限酵素断片をクロ-ニングしたが、やはりmei2相同遺伝子ではなかった。塩基配列の相同性に依拠した方法がネガティブな結果であったため、今後抗体を用いるスクリ-ニングを検討している。一方、分裂酵母では細胞内では細胞内のcAMPレベルの減少が減数分裂などの有性生殖過程開始のシグナルとなることを示し、その制御に関わるアデニル酸シクラ-ゼ遺伝子(cyrl)をクロ-ン化して細胞内での破壊実験を行った。その結果、細胞内のcAMPレベルがゼロでも分裂酵母は増殖でき、cAMPはこの酵母の細胞周期の進行を制御するものではなく、有性生殖開始に必要な転写の制御に関わるものであることを示した。また、pacl遺伝子産物である二種鎖RNaseが過剰に細胞内にあると、分裂酵母は減数分裂が開始できなくなることを示した。これら、新たに明らかになった減数分裂制御に関わる遺伝子についても、高等植物での存在の検討を開始している。
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