研究分担者 |
村山 祐司 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30182140)
小野寺 淳 筑波大学, 地球科学系, 講師 (90204263)
松井 秀郎 立正大学, 文学部, 講師 (80147933)
葛西 大和 山形大学, 教養部, 助教授 (20033178)
片平 博文 立命館大学, 文学部, 助教授 (60128569)
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研究概要 |
近代化に伴うさまざまな人間活動の活発化と,その結果引き起こされてしまった環境変化との連関の分析に入るため,日本における産業革命期直前から100余年間の産業の変遷,交通・通信システムの発達,都市化の進展,およびそれらに伴った構造物の建設などの状況を的確に捉えようとして,散在する大量のデ-タの発掘とその適切な評価,表現形式の統一,欠落部分の妥当な補完などを進めた. 1 農業地域・農産物の時系列変化における大きな転換点は,1940年頃,第二次大戦直後(1950年頃),戦後の絶頂期の終了時期(指標によって若干異なるが,1960年あるいは68年頃)に認められる. 2 蚕糸業の推移は,まず,ピ-クの1930年までの発展期とそれ以後の衰退期に二分され,さらに前者は勃興期・漸増期・急伸期に,また後者は第1停滞期・急減期(第二次大戦中)・回復期・第2停滞期・減退期に,それぞれ細分されている.これに伴って桑園の分布も地域的に,また地域内でも,大きく変動した. 3 戦前のおける鉄道輸送の推移は,1872〜1906年の鉄道網拡大期,1907〜1920年の鉄道整備・確立期,1921〜1945年の鉄道発展期に分けられる.このような鉄道網の拡大に伴う都市間の近接性の変化を計量中である. 4 都市域の拡大とそれに伴う人口分布の変動を分析するには,明治前期,明治後期,大正〜昭和前期,昭和後期の4区分を用いるのが適当である. 5 人間の生産的活動によって直接発生する環境変化と,迂回的に引き起こされる環境への影響とを同時に捉える指標として,ダム(とくに堤体の高さが15m以上のもの)をとりあげると,その建設状況の大きな転換点は,1910年(近代的利水ダムの増加)と1950年(多目的ダム,洪水調節用ダム中心に転換)に求められる. これらの各種現象の時系列パタ-ンから,4〜5期程度の共通の時間断面を設定して,地図デ-タベ-ス化に接近したい.
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