研究概要 |
1.機器構成とデ-タ:当該補助金では主に、32ビット・コンピュ-タ一式と固定ディスク装置・光磁気ディスク装置を購入した。また、高速の画像処理関数を自作した。マイクロコンピュ-タでも、このような高速・大容量のシステムであれば実用になることが確かめられた。デ-タは国土数値情報1kmメッシュ・デ-タであるが、東京都立大学野上道男教授が前処理したものを利用した. 2.まず全流域を対象として、高度頻度分布曲線を描いた。この結果から、阪口豊(1964)による手作業の成果を追試できた。この曲線は、標高700m付近で折れ曲がることが知られているので、さらに地質を高度帯別かつ各種の指標別に集計した。軟岩・中硬岩は、600m以下で急増し、第4系・新第三系は、これよりもやや低い標高から増加する.また火山岩だけをみると、標高800m以上で第四紀火山が大きな比重をもつことがわかった. 3.流域ごとの解析に先だって、各メッシュがどの流域に含まれているかを示すインデックス・デ-タを、国土数値情報の水系ファイルと傾斜方位ファイルとから作成した.これにより、上記と同様の流域ごとの処理が可能となった。たとえば利根川流域の高度頻度分布曲線では、すでに指摘されている逆S字型の特徴が追試できた.地質をみてみると,火山岩と未固結堆積物の割合が逆S型になっていた.いっぽう河床縦断曲線では,とくに変曲点のようなものは見えなかった.以上から、高度頻度分布曲線の折れ曲がりは、地質(岩質)でも解釈できるのではないかという予想が得られた。 現在までに,このような基本的なプリント・アウトが終了した.今後さらに,それらの膨大な資料の比較・吟味を行う予定である.また,起伏量や植生など,ほかのデ-タも加えていきたい.
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