研究課題/領域番号 |
02244207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩田 修一 東京大学, 工学部, 助教授 (50124665)
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研究分担者 |
関村 直人 東京大学, 工学部, 助教授 (10183055)
石野 栞 東京大学, 工学部, 教授 (70010733)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 材料デ-タシステム / 材料の歴史 / 材料技術 / 安全 / 高度技術社会 / 設計 / 管理 / 可視化 |
研究概要 |
材料デ-タシステムを活用した高度技術社会の評価手法に関する基礎的研究を行い、材料技術の果たす役割を明らかにした。材料の歴史を製造技術の確立/普及/材料の発見、材料本性の把握やプロセスに関連した検査技術、利用分野、材料に理解を深めるための実験技術、理論、モデル化、安全性や基準、設計に大別して整理し、デ-タベ-ス構築した。これは20億年前の天然原子炉の生成から明年運開予定の高速増殖炉原型炉までの、材料を中心とする、技術の歴史の極めて粗いスケッチである。多くの場合材料開発は新たな製造技術の開発や未熟な製造技術の改良により達成されている。試行錯誤的な実験デ-タの獲得が先行し、事後の解釈(現象論的〜理論的)が続き、ある限られた範囲、材料に関する部分的な体系化が進められる。以下その主な特徴を述べる。(1)人類は材料のもつ可能性のほんの一部の1千万件程度を物質として識別し、そのほんの一部の数十万件程度を活用している。(2)材料技術としての成熟はそれぞれの材料の本性の理解により正しく先導され、そのためには経験の蓄積のための多大の時間と人知の投入や優れた観察技術、検査技術、解析技術の支援を必要とする。(3)事故は基礎技術そのものの未成熟や現象(人間+システム)に対する不十分な理解により起こる。対象に対する可視性の不足は、過度の安全係数や多重防護に頼ることになる。(4)新技術のは未完成の部分があり、常に期待と不安がつきまとう。高度技術ほど人知を結集したものであり、その結果の維持発展には日常的努力を必要とする。(5)高度技術社会での材料技術の目標は、人間に合わせた核レベルから環境レベルまでの関連事象の設計、制御、管理である。課題は高度技術そのものの本性でもある複合事象の可視化、評価である。
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