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日本文化がTQCの誕生に及ぼした影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02244216
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪府立大学

研究代表者

森 貞彦  大阪府立大学, 工学部, 助手 (70081445)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード日本文化 / 母性原理 / 野生の思考 / 労働観 / 品質管理 / TQC / QCサ-クル
研究概要

各種文献から得られた知識に加えて、生産現場での経験を持つ人々へのインタ-ビュ-の結果をも分析し、次の知見を得た。すなわち、TQCにおいて中心的な役割を担うQCサ-クル活動は、日本文化の一つの重要な特色をなす母性原理の多大に貢献のもとに成立した。その貢献の様相は、多面的であり、複雑であるが、おおむね次のようにまとめることができる。
1.父性原理に従う欧米人はスペシャリストによるTQCを考案したが、母性原理に従う日本人は、社長から末端の従業員に至る全員の自主的参加によるTQCを生み出した。
2.レヴィ=ストロ-スの言う「野生の思考」と母性原理の間には強い関係がある。そして日本人の平均的思考は著しく野生の思考に偏っている。また、その思考は初等教育の効果を高める。したがって母性原理が支配的地位を持つ日本には低学歴者が比較的高い能力を持つ社会が実現し、QCサ-クル活動の成功に好適な条件が現れた。
3.父性原理に従う欧米人は、労働を人間の尊厳に対立するものと見做し、人間存在と労働の間に侵し難い一線を引く。これに対して母性原理に従う日本人は、人間存在と労働が渾然一体となった状態を実現し、柔軟な思考を必要とするQCサ-クル活動を成功に導いた。
4.母性原理に基づく日本人の意識の構造(河合隼雄『無意識の構造』中公新書 参照)は、個人によって提供される情報のコストを、欧米人の場合に比べて著しく低いものにする。これは、QCサ-クル活動の成功の一つの重要な条件であった。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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