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超臨界流体中における分子の回転異性化のダイナミックスと溶媒和

研究課題

研究課題/領域番号 02245201
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関北海道大学

研究代表者

井川 駿一  北海道大学, 理学部, 助教授 (90001841)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1990年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
キーワード超臨界流体 / キセノン / 赤外吸収スペクトル / 回転異性化 / 溶媒和 / 分子内水素結合
研究概要

1.本年度の研究は、超臨界キセノン流体を溶媒として赤外吸収スペクトルを測定するための実験装置の製作を中心に行った。先ず、(1)千代田精機製の特別仕様の移動式昇圧器を購入した。これにより、6barの圧縮空気を駆動源として、ガス容器からの30barのキセノンガスを600barまで昇圧することができる。(2)高圧セルは以下の仕様で設計・製作した。本体の材質:SUS630、動作圧力:1000bar、使用温度:ー50〜100℃、窓部有効開口径:φ6mm、窓材質:シリコン、試料部光路長:1〜10mm。窓部の圧力シ-ルは、円柱状窓の側面でOーリングによって行った。(3)セルは安全シ-ルドを兼ねたステンレス製の真空チェンバ-内に取り付け、真空チェンバ-をフ-リエ変換型赤外分光器(BOMEM・DA3)の試料槽に設置して、チェンバ-内と試料槽を含めた分光器内全体を0.2mmHg程度の真空に排気したのちにスペクトルを測定した。2.ジアセトンアルコ-ルを試料として、23℃でキセノンの圧力60〜90barの範囲でスペクトルを測定した。OH伸縮領域において二硫化炭素および四塩化炭素溶液に比べると、キセノン溶液中では(a)バンド全体が高波数にシフトする。(b)バンド幅が約半分となる、(c)自由OHバンドの相対強度が半分程度に減少する、(d)分子内水素結合OHバンドの低波数側の裾に明瞭な肩が現れる、等の違いを見いだした。また、キセノンの圧力が60barから70barに上がると、(e)水素結合OHバンドの中心は約5cm^<ー1>低波数にシフトし、(f)バンド幅は26.2cm^<ー1>から29.8cm^<ー1>に広がり、(g)自由OHバンドの相対強度が増す、等の変化が起こった。以上のうち、(d)は分子内水素結合OHバンドの形状を決定している要因を考える上で重要な手がかりを与える。また、(e)〜(g)は、僅か10barの圧力上昇によって密度が0.62から1.31gcm^<ー3>へ大きく変化する伯臨界流体キセノンの特性によるもので、キセノンが物理化学の基礎研究における有用な溶媒であることを示している。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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