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生理活性ペプチドの動的水和構造のシミュレ-ションによる研究

研究課題

研究課題/領域番号 02245209
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

平田 文男  京都大学, 理学部, 助教授 (90218785)

研究分担者 片岡 洋右  京都大学, 理学部, 助手 (30025407)
郷 信広  京都大学, 理学部, 教授 (50011549)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード生体高分子 / ポリペプチド / メリチン / 溶媒効果 / 構造ゆらぎ / 分子動力学 / 基準振動解析 / 協同的運動
研究概要

生体高分子の構造およびダイナミックスに対する溶媒効果の解明は生物物理における基本的課題であるのみならず溶液論的にも興味深い問題である。生体高分子内で起きる種々の時間スケ-ルの構造揺らぎは溶液の構造揺らぎと密接な相関をもっていることが予想されるが、本研究では、この相関を分子論的レベルで明らかにする目的で、生理活性ポリペプチド(メリチン)に関する以下の三つの計算機実験を行なった:(a)真空中での基準振動解析(NMA)、(b)真空中での分子動力学(MD)、(c)水溶液中でのMD。以下、その結果の一部を報告する。
メリチンのスペクトル強度曲線はMD計算より得られる速度相関関数から求めることができるが、その真空中での曲線はNMAより得られた振動数分布と良い一致を示した。この結果は真空中ではペプチドがほぼ調和振動子的に運動していることを意味する。また溶液中のMDと真空中のMD(およびNMA)の比較において、高振動数モ-ドでは両者は比較的良い一致をしめした。このことは結合の伸縮、変角振動など高周波数のモ-ドが溶媒の影響をあまり受けないことを示している。一方、分子全体としての協同的な運動に対応する低振動数モ-ドに着目した場合、溶液中では真空中で見られた調和振動子的相関が消失し、むしろ液体に特徴的な拡散的振る舞いをしめした。このモ-ドはメリチンのヘリックス軸の折れ曲がり運動に対応するが、その詳細な解析の結果、真空中では一つの構造のまわりで周期的に揺らいでいるのに対して、溶液中では一つの構造から別の構造への飛躍的な遷移が見いだされた。この結果は生体高分子の協同的運動に対する溶媒の影響を明確な形で示した最初のものであり、この中で提起した解析の方法とともに、生体高分子に対する溶媒効果の研究に対して一般的意義を持つものである。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 北尾 彰朗,平田 文男,郷 信広: "The effect of Solvent to the Conformation and Hre Collective Motions of Protein:Normal Mode Analysis and Molecular Dynamics Simulations of Melittin in Water and in Vacuum" Journal of Melecular Biology.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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