研究課題/領域番号 |
02245212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40039285)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 金属ポルフィリン / 反応中間体 / ヘテロ二核金属錯体 / 反応速度 / ポルフィリン / 水銀(II)錯体 / 亜鉛(II)錯体 |
研究概要 |
金属ポルフィリンの生成反応は、水銀(II)、カドミウム(II)、鉛(II)によってそれらの濃度が10^<ー8>moldm^<ー3>でも促進される。我々はこの反応において、水銀(II)のような大きな金属イオンと亜鉛(II)のような中程度の大きさのイオンがひとつのポルフィリンに反対側から同時に結合しているヘテロ二核金属ポルフィリン錯体の生成を反応中間体として提案してきた。本研究で、その仮定してきた反応中間体を反応速度の解析と吸収スペクトルの時間変化より直接知ることができた。水銀(II)ポルフィリン錯体と亜鉛(II)イオンとの反応は次のように二段階に進む。 Hg_2(tpps)^<2ー>+Zn^<2+>→^^IHg(tpps)Zn^<2ー>+Hg^<2+>→^^<II>Zn(tpps)^<4ー>+2Hg^<2+> ここで、H_2tpps^<4ー>はテトラキス(4-スルフォナトフェニル)ポルフィリンを示す。第1段目の反応は2-3秒で終わり、それに続く第2段目の反応は数分の半減期である。種々の実験条件で測定した速度定数より次のことが分かった。(1)第1段目の反応では、速度は亜鉛の濃度とともに増大し高濃度では一定となる、しかし、水銀の濃度とともに反応は遅くなる。(2)第2段目の反応では、反応速度定数は水銀の濃度にも亜鉛の濃度にも依存しない、即ち1分子反応である。(3)ラッピドスキャンによる第1段目の反応の吸収スペクトル変化より、反応中間体では水銀と亜鉛が同時に結合していることを示唆された。 このようにいままで仮定されていたヘテロ二核金属ポルフィリンの反応中間体を二段階反応として捉え,それぞれ反応段階における速度式と吸収スペクトルの変化よりその生成を確証することができた。今後EXAFASによる反応中間体の構造解析を進める予定である。
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