研究課題/領域番号 |
02247101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古川 尚道 筑波大学, 化学系, 教授 (80015966)
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研究分担者 |
谷口 宏 九州大学, 工学部, 教授 (10037715)
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
杉本 豊成 京都大学, 工学部, 助教授 (30093256)
小倉 文夫 広島大学, 工学部, 教授 (90028150)
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
42,000千円 (直接経費: 42,000千円)
1990年度: 42,000千円 (直接経費: 42,000千円)
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キーワード | ヘテロ原子 / 異常原子価 / 高配位化合物 / 超原子価 / スルフラン / ホスホラン / テルルラン / 多核核磁気共鳴 |
研究概要 |
本研究は、第15族のリン、16族の硫黄、セレン、テルル、17族のハロゲン原子を中心原子にもつ有機化合物の異常原子価について研究を行い成果を挙げた。得られた結果の概要について以下に報告する。1)異常原子価を持つ、安定、準安定な化合物群の新規な合成と異常原子価結合の特性の実験的、理論的研究、各種のスペクトルやxー線解析を用いた構造と結合の特異性についての研究を行うと共に、いくつかの新規な反応を見いだした。特に、セレン、テルルを中心原子とした2、3配位の化合物と有機金属試薬との反応においては、中間体としてのみ考えられていた高配位化合物(テルルラン等)を多核核磁気共鳴スペクトルを用いてその存在を明らかにした。また分子軌道法を用いた理論的な考察を行い、特にテルル原子においては超原子価が安定に存在することが明らかにされた。各種の有機硫黄化合物(スルフラン)、リン化合物(ホスホラン)においても反応の中間体として新規な超原子価を有する高配位化合物の存在を裏ずける実験的な事実を得た。2)ヘテロ原子が反応中心となるイオン反応やラジカル反応において、反応性中間体としての異常原子価を有する化合物または化学種の役割とその存在の研究を行い、特に有機硫黄化合物、セレン、テルル化合物、ヨ-ド化合物の反応において中間体としての高配位化合物の重要性と有機合成における役割についての新規な知見を得ると共に、これらの超原子価を有するヘテロ原子化合物を用いた新しい有機合成への展開を行った。3)第3列以降の異常原子価化合物の結合の概念を第2列元素を中心とする従来の有機化合物へのフィ-ドバックを試み、炭素の結合においても異常原子価を有する化合物を実験的に設計し、合成する事が可能である研究成果が得られ、今後の有機化学研究に重要な展開となる事を明らかにした。
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