研究課題/領域番号 |
02247208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
永瀬 茂 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (30134901)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高周期典型元素化合物 / 14族元素骨格 / 15族元素骨格 |
研究概要 |
14族と15族の高周期典型元素に特徴的な化学結合、電子状態、原子価を統一的な観点から系統的に解明し、既知の炭素化合物にはみられない新しい構造や物性および機能を理論計算により明らかにした。 <二重結合化合物>___ー:14族元素は高周期になるに従い、二重結合を形成しなくなる。これは、高周期の元素になるに従い、原子価軌道のns軌道とnp軌道の空間的な広がりに差ができ、混成軌道を形成しなくなるからである。しかし、この非混成の性質は15族高周期元素の場合には二重結合の形成には特別に不都合にはならないことを初めて明らかにした。 <芳香族化合物>___ー:高周期元素を骨格にもつ化合物では、炭素化学で確立されている従来の芳香族性の概念は分子設形には必ずしも有用なものにはならないことを提案し、π電子の局在性を明らかにした。 <多面体化合物>___ー:高歪み多面体炭素化合物の炭素骨格を14族高周期元素で置換すると大きく低歪みになる。この低歪み化は、置換する元素が高周期の元素になるほどまた多面体を構成する四員環の数が多くなるほど顕著になる。これは、高周期の元素になるほど混成を起こさず(ns)^2(np)^2の電子配置を化合物中でも保持しょうとする傾向が強くなるからである。他方、三員環を数多く含む時は、低歪み化はほとんどなくその弱い結合性のために結合性のための結合の伸張が起こり、異性化がおこる。しかし、電子を押し出す置換基を導入することにより制御できる。 <異常な原子間距離をもつ化合物>___ー:14族および15族の高周期元素を骨格にもつ化合物に電気陰性度の大きい置換基を導入することにより、通常の原子価則に当てはまらない異常な原子間距離をもつ一連の化合物を理論的に設形した。これらの最短原子間離は、これまでに報告された内では記録的なものである。
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