• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

有機高原子価ビスマス化合物の異常化学擧動の検討

研究課題

研究課題/領域番号 02247211
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

鈴木 仁美  京都大学, 理学部, 教授 (50025342)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード有機ビスマス化合物 / イリド / イミン / X線結晶構造解析
研究概要

ビスマスは金属と非金属との接点に位置するニクトゲン元素として非金属性が乏しいため,これから導かれる有機金属化合物は他のニクトゲン元素の場合には見られない特殊な擧動を示すことが多く,特に官能基選択の高い反応を穏やかな条件で行ないやすいという大きな特徴をもつている。今年度はビスマスイリドとビスマスイミンの化学性に焦点を絞つて,反応の選択性な反応擧動の多重性を検討した。ビスマスイリドについてはジメドンから誘導された安定型イリドのX線結晶構造解析に初めて成功し,ビスマスー炭素イリド結合が二重結合ではなく,極性単結合に近い性格をもつことや,ビスマス原子とカルボニル基の酸素原子との間の弱い相互作用がイリド
の安定排に寄与しているらしいことを確認した。また一連の準安定型イリドや不安定型イリドについても,その反応性を検討した。ビスマスイミンについては古い文献の追試を行なってその内容の訂正を行なうとともに,安定型ビスマスイミンの物理化学的性質や反応性を体系的に調べてその化学性を初めて明らかにすることに成功した。とくにナイトレノイド等価体としての可能性を期待して各種の捕捉実験を行なつたが,予想した生成物は得られず,その実証には失敗した。現在,かさ高いアルキル基による立体保護や,ビスマス原子をヘテロ環構成要素として組み込むことによる安定化を利用した,空気中でも安定なジビスムチン,ヒドロビスチン,アルキルビスムチンなどの合成の試み,およびビスマス原子の大きな原子量と有機ビスマス化合物の無毒性に着目した血管造影剤としての展開を目指した水溶性有機ビスマス化合物の合成の試みなどを始めており,その展開について有望な感触を得ている。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Suzuki,C.Nakaya,Y.Matano,T.Ogawa: "NーTosyltriarylbismuthimines. Synthesis and Reactions with Some Electrophiles" Chemistry Letters. 105-108 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Yasui,T.Kikuchi,F.Iwasaki,H.Suzuki,T.Murafuji,T.Ogawa: "First Xーray Structure Determination of a Bismuthonio Ylide:4,4ーDimethylー2,6ーdioxoー1ーtriphenylbismuthonioーcyclohexanide" Journal of Chemical Society,Perkin Trans.1. 3367-3368 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] H.Suzuki,T.Murafuji: "Transylidation of Some Bismuthonium Ylides" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 63. 950-952 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] T.Ogawa,T..Murafuji,H.Suzuki: "A New Method of Generation of Bismuthonium Ylides and their Efficient Trapping with Sulphenes" J.Chem.Soc.Chemical Communications. 1749-1751 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] T.Ogawa,T..Murafuji,K.Iwata,H.Suzuki: "Carbenoid Type Reactions of a Stabilized Bismuthonium Ylide in the Presence of Copper Catalyst" Chemistry Letters. 325-328 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] T.Ogawa,K.Miyazaki,H.Suzuki: "Mild Acetylation of Amides,Thioamides,Ureas,and Thioureas Using Methyl Bis(1ーnaphthyl)bismuthinate" Chemistry Letters. 1651-1654 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

URL: 

公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi