• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

高配位有機リン化合物の合成と反応

研究課題

研究課題/領域番号 02247215
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関鳥取大学

研究代表者

和田 正徳  鳥取大学, 工学部, 教授 (30029053)

研究分担者 撰 達夫  鳥取大学, 工学部, 助教授 (60032025)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード3級ホスフィン / 強求核性 / 2,6ジメトキシフルェニル誘導体 / ホスフィンスルフィド / 脱硫 / チオ-ル / 非対称ジスルフィド / 3級ホスフォニウム塩
研究概要

トリス(2,6ージメトキシフェニル)ホスファン[(2,6)_3Pと略記する]とイオウの反応で得られるこのスルフィド(2,6)_3P=Sは容易にプロトン化されて[(2,6)_3PーSH]^+塩を生成するが、この塩を溶液中で加熱すると脱硫して3級ホスホルニウム塩[(2,6)_3PーH]Xになることが分った。[(2,6)_3PーH]Xはアルカリ水により定量的に(2,6)_3Pを再生するので(2,6)_3P=Sを酸とアルカリで(2,6)_3Pに還元することができることになる。また、(2,6)_3P=Sには求核性があることも分った。すなわち、ヨウ化アルキルや臭化アルキルと容易に反応してアルキルチオホスホニウム塩[(2,6)_3PーSR]Xを生成する。この塩のP+ーSR結合は耐加水分解や耐アルコリシスがあり、これは2,6ーメトキシ基の酸素原子がリンイオウに配位し、水酸基などの求核種リンを攻撃するのを妨げている為と考えられる。また、[(2,6)_3PーSR]+┫D2┣D1+塩はメタノ-ル中、触媒量の(2,6)┣D23┫D2Pの存在でチオ-ルR'SHと反応し、ほぼ定量的に3級ホスホニウム塩[(2,6)┣D23┫D2PーH]Iと選択的に非対称ジスルフィドRSSR'を生成することも分った。この反応で用いた触媒の(2,6)は塩基としてR'SHに反応して[(2,6)┣D23┫D2PーH]SR'を生成し、生じたR'Sーアニオンが[(2,6)┣D23┫D2PーSR]┣D1+┫D1のイオウを攻撃してRSSR'を生成すると共に(2,6)┣D23┫D2Pを再生すると考えられる。この反応は(2,6)┣D23┫D2P触媒を加えなくても加熱により進行するが、R'SHが完全には消費されず、反応は平衡状態で終る。この逆反応を利用して[(2,6)┣D23┫D2PーH]┣D1+┫D1塩とPhSSPhの反応により[(2,6)┣D23┫D2PーSPh]┣D1+┫D1塩が得られた。[(2,6)┣D23┫D2PーH]┣D1+┫D1塩はアルカリ水で処理すれば(2,6)┣D23┫D2Pを再生するので、(2,6)┣D23┫D2Pを反応媒体として、ハロゲン化アルキルとイオウ、チオ-ルなどから室温付近の反応により非対称ジスルフィルド合成できることが分った。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Wada,M.Kanzaki,M.Fujiwara.M.Kajihara,T.Erabi: "Facile Synthesis of Alkylthiophosphonium Salts of Tris(2,6ーdimethoxyphenyl)phosphine and Their Reactions with Thiols" Chemistry Letters. 867-870 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Yamashoji,T.Matsusita,T.Kawaguchi,M.Tanaka,T.Shono,M.Wada: "Liquidーliquid Extraction of Metal Ions with Tris(2,6ーdimethoxyphenyl)phosphine and Its Quarternary Phosphonium Salts" Analytica Chimica Acta. 231. 107-113 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] M.Wada,M.Kanzaki,M.Fujiwara,K.Kajihara,T.Erabi: "Some Unusual Properties of Tris(2,6ーdimethoxypheny)phosphine Sufide and the Related Compounds" Bulletin of the Chemical Society of Japan.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] M.Wada,H.Ohba,S.Miyake,T.Erabi: "Synthesis and Properties of Tris(2,6ーdimethoxyphenyl)arsine,ーstibine,and ーbismuthine and their Oxides" Chemistry Express.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] M.Wada,T.Fujii,S.Hayashi,T.Erabi: "Complex Formation between Dimethyltin Dihalides and 2,6ーDimethoxyphenylphoshine Oxides and Sulfides" Journal of Organometallic Chemistry.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

URL: 

公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi