研究課題/領域番号 |
02248216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
桑村 哲生 中京大学, 教養部, 助教授 (00139974)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 魚類社会 / 自律分散システム / ダルマハゼ / 一夫一妻 / 性転換 / なわばり / 社会生物学 |
研究概要 |
今年度は、孤立分散的に分布するショウガサンゴに棲息し、一夫一妻の社会単位を持つダルマハゼを主な調査対象とした。まず飼育実験により、雄→雌、雌→雄、いずれの方向にも性転換する能力を持つことが確かめられた。ペアは似た大きさの雌雄からなり、配偶者が死亡すると、雌は性転換して雄になり、雄は性転換せずに、移入雌あるいは性分化雌と新ペアを形成することが多い。また、雌は雄に比べて、他のサンゴに移出して新たなペアを形成する頻度が高かった。雄は卵保護を担当するため、サンゴへの執着が雌より強いと考えられる。サンゴの消失・悪化に伴うサンゴ間移動も頻繁に観察されたが、日常的に付近のサンゴを見回り情報を得ているわけではなかった。おそらく移動時の捕食圧が高いために、特別な状況が生じたときのみ移動し、移動先の先住者の性と大きさに応じて、そこへの加入・ペア形成の可否が決まるのだと思われる。その際、双方向性転換能力を持つことは大変有利である。このようなダルマハゼの一夫一妻システムは、各個体が自らの繁殖成功を高めるべくふるまった結果に他ならないが、同時に、サンゴの大きさに応じた大きさのペアが棲息することにより、地域個体群全体としても、もっとも効率的な資源(サンゴ)利用状況がもたらされていると考えられる。 このほか、一夫多妻なわばりを持つムラサメモンガラ、雄がなわばりを持つシクリッドについても、社会システム維持に関するデ-タ解析を行い、これらでは、近隣個体との日常的な情報交換(見回り・攻撃)が重要であることが明らかになった。さらに他の魚類の社会システムも概観した結果、孤立分散的な小社会単位で生活する種類では、個体の戦術の隔通性がシステムの維持には不可欠であることが予測され、来年度はこの点についてさらに詳しく調査する予定である。
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