研究概要 |
本重点領域研究のA01班は高機能高品質ソフトウェアはいかにあるべきか,いかに作るべきかを大所高所から討論,検討するのを目的としている。班会議は7月31日(東京),11月20ー21日(伊良湖),3月6ー7日(紀伊白浜)の3回を開催し,出席者はそれぞれ3名,11名,10名である。第1回は研究打ち合わせ,第2回は討論中心,第3回は発表中心の会議である。 和田のグル-プは自分たちで使うことを目的とした高度ソフトウェアの例として漢字フォント生成支援システムを作成し,とりあえずはさらに使い易いシステムへ柔軟に移行できるシステム構成を目指した。そのため,グル-プで開発したUtiLispを利用することでUtiLispの高度ソフトウェアシステム開発への適合性の確認し,さらに必要な機能をUtiLispに追加すべきかどうかも検討する。システムはXウィントラの上で動くことになっており,XL:bプログラムも沢山書く必要もあるが,Common LispとXL:bとのインタ-フェ-スをUtiLispからも使えるように改造する方式についても検討,実施した。この結果UtiLispのコンパイラに多少の不見合いがあることも判明したが,直ちに修正を施すことができた。このような修正が容易に行なえるのもUtiLispの高機能性のひとつといえよう,大型計算機センタ-にmipsの計算機が副システムとして導入されたので,UtiLispのmips用bignumル-チン作成に着手,ほゞ完成した。この方はプログラムの高速化のため人手によるアルロ-ル効果を確認するのが目的のひとつであった。 斎藤のグル-プは高機能高品質ソフトウェアの例としてAndrewウィンドウシステムを採りあげそのオブジェクト指向の有効性を評価した,また既存システムの日本営化についても検討し,Audrewシステムの日本営化のプロトタイピングにもある程度の成功を収めている。
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