研究概要 |
研究計画調書に基づいて,本年度の研究では以下に記した三つの課題を主要な目的として研究を行なった。 1.現在のオブジェクトベ-スシステム,特に,オブジェクト指向デ-タベ-スシステムにおける並行処理制御方式の調査研究を行った。 2.相互に複雑な関連をもつと考えられるプログラム,フロ-チャ-ト,マニュアル,設計書,仕様書,テキストデ-タなどの情報メディア各々をオブジェクトとしてとらえ,オブジェクト間の構造あるいは相互の関係を可能な限り直接的に表現したオブジェクト指向に基づいたマルチメディアモデルを確立し,ワ-クステ-ション上に構築し,本研究で提案する並行処理制御方式の対象とする基本的なオブジェクトベ-スモデルとした。特に,対象となる情報メディアとして,音声,動画像をも含めて考え,ハイパ-テキストモデルにおけるリンクの概念を拡張した新しいモデルを提案した。 3.本研究の中心的なテ-マである高性能を有する並行処理制御方式の考察・提案を行った。特に,従来から主に採用されてきた2相施錠方式を基本とする制御方式の並行処理能力の低い問題を解決するために,施錠方式を用いずトランザクション入出力グラフをベ-スにした制御方式を提案した。また,構築した基本的なオブジェクト指向のデ-タモデルを対象として,上記で提案した並行処理制御方式を適用し,実装を行なう準備をした。 以上,本年度で計画をしていた研究目標を滞りなく完了した。
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