研究概要 |
<発光システムグル-プ>___ー: 1)オワンクラゲの発光蛋白エクオリンの発光基質セレンテラジンアナログ20種が大橋により合成され,辻が作成した組換アポエクオリンを用いた合成エクオリンアナログの発光が検討された。その結果2位の置換基はベンジル誘導体であることが必要であり,8位に置換基を有しないアナログはアポエクオリンに取込まれないことが明らかにされた。 2)辻によりシステイン残基をすべてセリン残基に変えたアポエクオリン変異体が作成され,還元剤がなくても変異エクオリンアナログの合成が可能であることが示された。 3)月夜茸の発光体がランプテロフラビンであることが化学合成により決定された。高発光収率を与える立体構造が解明された。 <受光システムグル-プ>___ー: 1)DNAの局所三次構造や特定塩基配列を認識し,光励起により特異的にDNAを切断する分子として,抗ガン剤ブレオマイシンのコバルト錯体によるDNAの特異的光切断の分子機構が斉藤により明らかにされた。モデル化合物が3種合成され,その光切断機能が確認された。 2)生物の情報伝達系に必須なイオンチャンネルの精密構造認識と機能解明が光アフィニティラベル法を用いて中山により行なわれている。カルシウムイオンチャンネルの光アフィニティラベル用試薬としてフエニルジアジリン基を含む新規ジアジピンが合成された。これを用いて骨格筋カルシウムイオンチャンネルについて結合部位が明らかにされた。 3)ロドプシン再生酵素レチノクロムの光異性化機構に関し,6種のレチナルアナログが合成されオプシンシフトが検討された。10ーメチルレチナルアナログが合成され,レチノクロムアナログの生成が明らかにされ,光照射により不整(左施性)のハ-シス体の生成が認められた。
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