研究課題/領域番号 |
02250106
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
砂本 順三 京都大学, 工学部, 教授 (80037811)
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研究分担者 |
久枝 良雄 九州大学, 工学部, 助教授 (70150498)
横山 茂之 東京大学, 理学部, 助教授 (00159229)
猪飼 篤 東京工業大学, 理学部, 教授 (50011713)
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1990年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | ガングリオシド / ガドヘレン / αー2ーマクログロブリン / ヒト上皮成長因子 / シクロファン / リポソ-ム / 動物細胞 / ペプチド |
研究概要 |
細胞間接着、細胞間情報伝達、あるいは細胞膜を介しての細胞内への情報伝達などにおいては、細胞表層で起こる抗原ー抗体反応や、リガンドーレセプタ-結合による精密な分子認識が行われている。本研究班においては、細胞表層に存在している各種の認識素子、例えば糖脂質、糖蛋白質の糖鎖、レセプタ-蛋白質のシグナル結合部位、あるいは抗体や抗原分子の関与する認識メカニズムを精密構造レベルで追求し、実細胞間の情報伝達メカニズムを理解する。さらに得られた情報を基に精密構造認識に続く細胞機能の制御の可能性を探る。これまでに得られた研究成果を以下にまとめた。 1.牛脳から単離したガングリオシドを組込んだリポソ-ムにより血清中に誘起される抗体産生能は、モノシアロガングリオシドよりもポリシアロガングリオシドの方が高いことを見い出し、メラノ-マにたいするリポソ-ムワクチンの作成に初めて成功した(砂本)。 2.ヒト上皮成長因子(hEGF)と細胞表層レセプタ-とのシグナル伝達メカニズムを分子レベルで解析するために、蛍光プロ-ブを組み込んだhEGF変異体を蛋白質工学により合成した(横山)。 3.蛋白質酵素捕獲因子であるα2ーマクログロブリン(α2ーM)はプロテア-ゼと結合することにより、細胞表層にある受容体に対する特異的結合部位を露出する。細胞表層へのα2ーMの結合メカニズムの解析に先だって、走査型トンネル顕微鏡(STM)の試作を行なった(猪飼)。 4.細胞間接着においては、カドヘリンと非共有結合で相互作用している細胞内ドメインが必要であり、またC端を欠失したカドヘリン分子は細胞内骨格との結合性を失って細胞間境界に濃縮されない事を見いだした。さらに発現されるカドヘリンのタイプの転換が細胞集団の形態形成制御と関連していることを見いだした(竹市)。 5.細胞表面でのレセプタ-の精密分子認識モデルとして、マクロ環化合物による人工レセプタ-分子の開発を行った。シクロファン型の包接ホストにカテコ-ルを導入した新しい人工レセプタ-は、リガンドとして金属イオンと有機分子が相互作用した形で包接することを見いだした(久枝)。
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