研究概要 |
1)ドクササコの新毒成分の単離:さきにわれわれはこのきのこからアクロメリン酸A,Bを毒成分として単離し、これが神経のグリタメ-トリセプタ-を強く興奮させることを見出した。ドクササコにはこれ以外にも毒成分があることを認めているので,さらに抽出単離を行った。マウスの致死毒性を目安として水抽出物の分画を行い神経興奮作用をもつ新たな分画を得るとともに新アミノ酸を単離した。マウス致死毒性を示す分画から得られた新アミノ酸はスペクトルデ-タからピロ-ルカルボン酸をもつと思われ、biogenesisから構造を推定し、これを合成によって確認した。合成径路を右に示した。 2)オオワライタケの苦味成分でマウス致死毒性のあるギムノピリンの三級アルコ-ル部分は立体化学が不明のままになっているのでこの決定方法につき検討した。キノコより得たギムノピリンのイソプレノイド部分はイソプレンの数が種々のものの混合物となっている。しかしNMR的には ^<13>C、 ^1Hどちらに於いても単一物のように見え、TLC的にも均一で分離は難しい。加水分解で酸部分を除いたギムノプレノ-ルはHPLCで分離出来、すべてのアルコ-ルをMOM化したものの重ベンゼン中の ^1HNMR ^<13>CNMRではMe基が分離して表れることを見出した。現在種々の立体化学をもつモデルを合成し、同定の可能性を検討している。
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