研究課題/領域番号 |
02250205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 淳一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90221241)
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研究分担者 |
石橋 正己 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90212927)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | カルシウムチャンネル / 筋小胞体 / 海洋生物 / ホヤ / βーカルボリン / カフェイン / 構造活性相関 |
研究概要 |
哺乳動物細胞(骨格筋など)の筋収縮連関の引き金となる筋小胞体からのカルシウムイオンの遊離には、カルシウムチャンネルが関与していることが知られている。このカルシウムチャンネルに作用してカルシウムを遊離させる物質としてカフェインが知られているがその作用は弱く、このチャンネルの性質を研究するためには、より作用の強いカフェイン様作用物質の発見が求められていた。<Eudistoma>___ー属のホヤより単離したβーカルボリン化合物であるeudistomin DとJに、カフェインのそれぞれ3倍ならびに30倍強い筋小胞体カルシウム遊離促進作用が認められたので、両者の構造の比較から活性の増強が期待される7ーbromoeudistomin D(BED)が合成された。BEDには予期した通り活性の増加が認められ、そのカルシウム遊離促進作用はカフェインの100倍であった。コンピュ-タ-グラフィックの比較から、BEDはカフェインの分子構造と極めて類似していることが明かとなったのでBEDをリ-ド化合物として構造活性相関を検討した。その結果、BEDの9位メチル体(9ーmethylー7ーbromoeudistomin D;MBED)ではBEDの約10倍の活性の増加が観察された。即ちMBEDはカフェインの1000倍強い筋小胞体カルシウム遊離促進作用を示すことが明かとなった。そこで、BEDの構造の中でまだ検討が残されているピリジン環について、構造と活性との関連について調べることを計画し、まずピリジン環の窒素原子の活性への寄与を調べる目的で、BEDのピリジン環の窒素原子を炭素原子に置き換えた化合物(2,4ーdibromoー3ーhydroxycarbazole)を合成した。現在この化合物の筋小胞体カルシウム遊離促進作用について検討中である。
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