• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

オルガネラ表層におけるタンパク質の構造認識と膜透過機能

研究課題

研究課題/領域番号 02250209
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

遠藤 斗志也  名古屋大学, 理学部, 助教授 (70152014)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードオルガネラ表層 / 葉緑体 / ミトコンドリア / ヘリックス構造
研究概要

細胞表層やオルガネラ表層では,低分子のみならずタンパク質のような高分子も,選択的かつ能動的に出入りさせている。ミトコンドリアや葉緑体などのオルガネラでは,オルガネラの外で作られるオルガネラ固有のタンパク質を正しく内部に取り込むことが,オルガネラの機能維持に不可欠である。我々はすでに,ミトコンドリアタンパク質がミトコンドリア表層で識別されるためのシグナルが,延長ペプチドの特にアミノ末端側に誘起される両親媒性のαヘリックス構造であることを明らかにしている。本研究ではこれに引き続いて,葉緑体タンパク質が葉緑体表層で識別されるためのシグナルを明からにした。
葉緑体のチラコイドタンパク質であるプラストシアニンの延長ペプチドの1ー37残基に対応するペプチドPC37を化学合成し,そのコンホメ-ションを円二色性(CD)スペクトルで調べた。その結果,PC37は水溶液中では特定の二次構造はとらないが,葉緑体表層のモデルであるSDSやリゾレシチンの存在下またはメタノ-ル中ではヘリックス構造が誘起される(20ー40%)ことが明らかになった。次に,PC37のリン脂質リポソ-ムへの作用をvesicle content release法で調べ,ミトコンドリアタンパク質の延長ペプチドに対応するペプチドの場合と比較した。後者の場合は1μM程度の濃度でリポソ-ムを壊すのに対し,PC37は100μMまで濃度を上げてもリポソ-ムをほとんど壊さなかった。リポソ-ム中の酸性リン脂質や糖脂質の割合を変えても,PC37のリポソ-ムへの作用は変わらなかった。このことは,PC37がたとえ部分的にヘリックス構造をとったとしても,両親媒性ヘリックスにはならないと考えれば説明できる。つまり,ミトコンドリアタンパク質と葉緑体タンパク質は対応するオルガネラ表層で,「両親媒性ヘリックス」と「両親媒性でないヘリックス」というシグナルの違いにより,識別されていると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 遠藤 斗志也: "ミトコンドリアタンパク質の膜透過のメカニズム" 生物物理. 31. (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

URL: 

公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi