研究課題/領域番号 |
02250223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 敞 京都大学, 化学研究所, 教授 (20022593)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 合成ペプチド / 二次構造 / αーヘリックス / リン脂質膜 / 膜融合 |
研究概要 |
ペプチドによるリン脂質二重層小胞の融合の研究を、融合活性を示すウィルスタンパク質中の活性部位の検索、ペプチドのアミノ酸配列、融合活性を示したペプチドの二次構造の解明、の観点より行った。 1)オルトミクソウィルス6種、レトロウィルス13種、パラミクソウィルス4種、トガウィルス2種、ラブドウィルス4種のそれぞれの構成タンパク質について、膜融合活性部位と思われるアミノ酸配列部位が想定された。 2)アミノ酸配列の相同性を考慮し、インフルエンザウィルスHAタンパク質2種、ヒト免疫不全ウィルスgp41タンパク質について、それぞれ膜融合活性部位と想定された部分のアミノ酸配列を持つペプチド、およびその配列変異体である10種のペプチドを合成した。 3)インフルエンザウィルスHA2関連のペプチドとして以前の研究で得られたものを含めて11種が揃い、それらの膜会合・融合活性を測定した結果、7種について融合活性が認められた。カルボキシル末端をアミド化したペプチドは融合活性に差がみられなかったが、アミノ末端をアセチル化(末端電荷消失)したペプチドでは融合活性が消失した。これはアセトイミジル化(末端電荷保存)、マレイル化(逸端電荷逆転)ペプチドでも同様で、この奇妙な現象は現在まだ解釈がつかない。 4)膜融合活性のあるインフルエンザHAペプチドについて円偏光二色性と赤外線吸収スペクトルにより水溶液中およびリン脂質膜存在下での二次構造を決定したところ、これらペプチドは膜と結合してαーヘリックスを形成することが明かとなった。アミノ酸配列をごく僅か入れ換えてβー構造を作るようにしたペプチドでは融合活性は極めて僅かしか発現せず、αーヘリックスと膜融合との強い相関が示唆された。
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